夏の終わり2007/09/12 01:02

 10日から山小屋に来ているのだが雨ばかりである。気温も低く、もう秋と言ったところだ。明日(12日)には帰らなくてはいけないが、結局ほとんど寝てばかりいた。一応万葉集と心理学の入門書を持ってきて、論文や授業の準備などをしようと考えていたのだが、疲れがたまっているせいか、ほとんど何も出来なかった。まあいつもそうなのだが。

 心理学の入門書の方はだいたい読んだが、結局、心理学とは、分類と定義付けの学問なのだということがよくわかった。意識や心の動きをどう切り取ってどう概念化するか、そのオリジナリティをめぐっていろんな研究がひしめいていることもよく理解できた。

 後期から私も授業を一つ持つことになっている。といっても、それほど専門的な科目ではなく、テキストの心理テストを学生にやらせながら、学生が自分の心理の世界に向き合い自己を認識していくお手伝いをするという、演習の授業で、講義科目ではない。専門でもない私にも出来るというわけだが、それでもそれなりに準備は必要なので、今心理学関係の本を読んでいるところだ。

 秋のアジア民族文化学会の大会ポスターの原稿を書いてそれを発注するという作業をこの二日間で行った。まったくメールというのは便利で、出版社から図案もメールでとどき、とりあえずポスターの発注は何とか終えた。今度の大会(10月27日)は「アジアの歌の音数律」がテーマである。

 日本の和歌や中国の漢詩、少数民族の歌が同じように5音・7音なのはなぜなのだろうという単純な疑問からこのシンポジウムの企画を立てられた。立てたのは私であるが。アジアの歌の文化を音数律という視点から探ろうというはじめての試みで、うまくいけばかなり面白くなると思う。

 こっちに来る出がけに、k先生の古希を祝う論集のはがきが届いた。その論集に私はある語彙について原稿を書くことになっていた。そのことをまったく忘れていた。もっとも向こうは忘れているだろうと念押しの通知を出したのだろうが。締め切りは別の原稿の締め切りと重なっている。書けるだろうか。さすがに不安になってきた。

ということで、私の夏休みはとっくに終わっているのである。

    葛かづらまとわれし樹のある如く

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