懇親会2007/03/02 00:54

 昼頃出校。会議が続く。教授会の後は向かいの学士会館で文科の懇親会。今年度でご退職の先生や助手さんを送り出す送別会でもある。一番長く勤めた方は43年。いやはや凄い。私など、今の職場に勤めて12年ほどになるが、これは私の同一職場での勤続としては最長記録である。職を転々としていたこともあり、一つところに4年以上いたことがない。いろいろと事情もあったが、まあそんなものだと思っていた。

 20代になるとき、定職につくような生き方はしたくないと、たぶん、若いときに一度は誰もが思うように私も思った。普通は、そういう願望はあきらめるのだが、私の場合、学生運動をしていたということもあって、定職につかないというかつけない人生を歩んでしまったというところだ。

 私みたいな生き方をしているのは、同世代の団塊世代には掃いて捨てるほどいる。だからそれが当たり前だと思っていたのだ。そういう私から見れば同じ職場に40年も勤めていたというのは、まったく想像できないし、感動すら覚えてしまう。そういえば、昨年お辞めになった短大学長は50年勤めていたという。これも凄いと思った。

 まるで定点観測みたいな生き方だと思う。私などはふらふらあちこち旅して回る、フーテンの寅さんとまではいかないが、まあ一カ所にとどまることが出来ないのという意味では、同じだったと思う。今の職場に12年勤めているのは、さすがに若くはないということだ。たぶん人よりは起伏の激しい人生だったと思うので、晩年くらい同じ職場で過ごしたいと思うのだが、ただ、もっと面白そうなことが出てくればどうなるかは分からない。

 懇親会でビールをコップ一杯ほど飲んだら貧血気味になってきた。やばいと思い、ウーロン茶に切り替える。終わったあと、新宿に出る。昔の知りあい達との月一の飲み会に顔を出す。ここでもウーロン茶だけ。最近忙しいので久しぶりである。だいたい同世代だが、会えば病気の話ばかり。友人が二人末期癌になったことが話題の中心で、明るい話題はない。早々に切り上げ、帰宅。奥さんは今日山小屋に出かけて、家には誰もいない。

 私は明日は仕事、明後日は学会の例会で、山小屋には土曜の夜にでも行こうと考えている。帰りの電車で、大野晋『考古学・人類学・言語学との対話』(岩波)を100ページほど読む。帰りの電車で100ページ読めるくらいたいしたことのない本だった。買って損した。

    遠くて見えぬあの山も笑うか

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