自己紹介2009/04/15 23:57

 いよいよ授業開始。私は学科長のためコマ数は少ないのだが、それでもやはり最初は緊張する。今日は基礎ゼミ。このゼミのテキストはほとんど私が作ったので、さてさてうまくいくかどうか、これも不安だ。

 まず最初は自己紹介。34名もいるのでどんな風に自己紹介させるか、いろいろ考えた。それで、まず、質問項目の書いた用紙を配り、その質問に答えを記述させたのちに、それを基に自己紹介させることにした。例えば「今住んでいるところ」「こだわっているのは何?」「自分の何を知って欲しい?」「悩んでいることは?」「10年後の自分を語ってください」「好きな言葉は?」といったことである。

 ひとり2、3分の自己紹介だったが、なかなかうまくいった。悩んでいることは、酒に弱いと答えた学生がいて、おいおい二十前で酒はまずいだろうと言ったら、二十三歳だという。社会人もいて、なかなか面白い。

 興味深かったのは10年後の自分。結婚していて子どもが二人いる幸せな家庭を持っている、という答えがとても多かった。つまり、今、若い子たちはこのような家族を作る事がある意味ではとても幸せなことだと思っているということである。逆に言えば、そういう家族を作ることがとても困難になっている、ということでもある。いい男を見つけて、結婚して、子どもを作る(専業主婦になる)ことが、実は一番難しい。今、幸せな専業主婦になれるのは、高学歴でなくては無理だと言われている。そこまではみな望んではいないだろうが、つまり、今の自分と両親との家族を、自分も作りたいと思っているのだろうが、それが案外に難しくなってきているのだ。でも、この子たちは、きっと夢を叶えるのではないか、と聞きながらそう思えた。

 中には声優や女優をになっている、というのもあった。そういう自己紹介をみんな真剣に聴いていた。この自己紹介まずは成功した。

 今度勉誠社から出すことになる季刊『月光』の時評原稿を脱稿。15枚ほどだが何とか書き上げ送る。これは年四回ほどの連載である。それ以外に歌誌月光の連載時評もある。これは隔月。勉誠社のものは「自らのマイナスを語る神話」と題する文章を書く。これは中国の少数民族の創世神話の中に、自分たちが劣っているからここに住んで貧しい生活をしている、と語られている部分があり、それを「自らのマイナスを語る神話」と名付けたのだが、これについては工藤隆も論じている。

 私のテーマは「他所からの文化論」というもので、長年少数民族調査をしてきたので、そこから日本を見つめて、見えて来たことを書くつもり。連載なので、まとまればおもしろくなるかなと思う。

 今日奥さんは山小屋へ。私は仕事。私は週末電車で行くつもりである。

                           新入生少し黙りて夢語る

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