療養と原稿書きと2007/11/30 23:52

 久しぶりに山小屋へ。といってもどちらかというと療養という感じだ。頸椎症が昨日あたりからひどくなって、今日は朝から気分が悪い。仕事疲れということか。考えてみれば、先週は、推薦入試で忙しく週末は科研の研究会で出張と休む間もなく働いていた。風邪を引かないのが不思議なくらいである。

 が、療養などしている暇はない。原稿を書かなくてはならない。月曜までに何とか15枚ほどの古代の「語彙」に関する原稿を仕上げて、それから、12月半ばまでに学会誌の原稿を20枚ほど書かなきゃならない。

 ということで、車に参考書や資料などをごっそり乗せて山小屋に来てはみたが、やはり、どうも仕事をする気になれない。いつものことであるが。まだまだ自分を追い込んでいないということか。まずは構想である。この構想が出来てしまえば、その構想に従って、資料を調べ、書き進めることができる。

 構想とは、大きくは、私の文学観、世界観に基づく発想であるが、具体的な部分についてはひらめきに頼る。問題はこのひらめきであって、そう簡単にひらめいてくれるわけではない。ひらめかなければ書き出せない。

 研究論文は何もひらめきなど必要はないという考え方もあろう。が、アイデアのない論文は面白くはない。アイデアがないということは、研究に対して、おもしろがったり、好奇心を抱いたり、夢中になったりするという契機がないことを証明しているようなものだからだ。

 私が忙しいにもかかわらず、年に何本もの原稿が書けるのは、この、好奇心やおもしろがるということについてまだ枯渇していないからだ。これが枯渇したら、引退だろうなとは思う。

 けれども、新しい原稿を書く度にそろそろ枯渇かなといつも思う。けっこう厳しい世界で生きてもいるのである。今週、教授会で、先生方に苦言を呈した。学科の紀要にもっと原稿を書いて欲しいとお願いをした。みなさんとても忙しいことはよくわかる。が、私より忙しい人はいないはずだ。その私が一番原稿書いているのだから、忙しいというのはいいわけにはならない。そういう私を学科長にしたのが間違いである。

 ということで、今週末は、原稿書きと療養という相矛盾したことで過ごす予定だ。

          八ヶ岳掴みし雲よ冬に入る

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