成城一可愛いは言い過ぎ…2009/06/30 00:21


 どうも持病の首の痛みが再発。仕事のし過ぎである。つまりワープロの打ちすぎでむち打ち症のような症状が出る。こればかりはだましだまし耐えていくしかない。梅雨時の蒸し暑さもまた体調には良くないようだ。

 疲れるとチビの寝ているところへ行って、チビと遊ぶ。今チビは毛の抜け換えの時期で毛を梳く櫛で梳いてやると、気持ちよくてたまらん、という顔をする。その顔が面白い。成城一可愛い犬ということになっている、とブログに書いたら結構反響があって、奥さんにそれは言い過ぎだと怒られる。まあ確かに主観の問題とは言え、成城のたくさんの犬たちには反発を喰いそうだ。

 課外講習の市民講座で万葉集を講読しているのだが、その準備もあって、渡辺護『万葉挽歌の世界』(世界思想社)という古い本を引っぱり出してきて読み出した。冒頭の文章が面白い。筆者が上智の大学院生の時に伊藤博のゼミで発表したことから書かれ始めているのだが、その日は、三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊に乗り込み割腹自殺をした日だという。そのことが話題になり、伊藤博は、三島と私は同じ歳の生まれだ「同じ文学でもあちらはあんな美男ですが、私は…こうですからなあ」と言ったという。筆者は、ゼミが終わると、市ヶ谷まで友人とふたりででかけ、くわえタバコの刑事に「三島は助かりませんか」と聞いたところ、「助からないだろう、頭と胴が離れているからね」と答えたという。近くの喫茶店に入ったら二人の男に熱弁をふるっている人がいて江藤淳だったという。

 実は、この日、私は学生運動をやっていた最中で、動員されてお茶の水の中央大学でデモをしていた。デモに来ていた連中が市ヶ谷で楯の会の連中と合ったという話をしていたのを覚えている。万葉集の本を読んでいたら突然昔に時間が戻ってしまった。こういうこともあるのである。それにしてもこの本、万葉集の研究書にしては実に面白い書き出しである。

                      夏草の繁るがごとき日々もあり