指導力などないのに2007/05/18 00:22

今日はめまいがするほど忙しかった。昼を食べる時間がなかった。授業を二コマやって、その間に会議が入る。昼は、学生の読書室委員を集めて課題図書の選定の会議だったが、なかなかうまくいかない。

 学生たちに自主的にやらせたいのだが、そこまで持っていくのがけっこう大変だ。私は管理職ということもあって、いろいろなことを試みている。読書室というのを作って、そこに私たちの学科の課題図書や推薦図書の本を置き、学生に読んでもらおうという試みだ。読書レポートを書いてもらって、書いた人にはポイントをあげる。このポイントをリテラシーポイントという。

 千字エッセイコンテストというのをやっていて、これに応募するとポイントがもらえる。英語スピーチコンテストに参加してももらえる。高得点者は表彰する。学生に本を読んでもらったり文章を書いてもらおうと、あの手この手でいろいろと試みている最中だ。

 読書室の委員にはメルマガをだしてもらおうと思っている。メルマガといっても「読書室だより」というホームページを作り、それを学生のアドレスにメールで配信するというものだ。これからは、紙媒体の雑誌作りや広報ではだめだ。メルマガのような媒体に強くならないといけない世の中である。

 私の学科で地方から出てきて親元を離れている学生(1年)を調べたら一割いることがわかった。これはかなり多い数字である。というのは、われわれはほとんど募集の範囲を首都圏に絞っていて、地方からは数はすくないが何人かはいるな、という程度で考えていたからだ。

 ところがけっこう全国から来ている。それで急いで対策を立てることにした。みな親元を離れて戸惑うことも多いだろうし、悩みもあるに違いない。また、何故この学科を受験しようと思ったのか、それも聞いて来年から募集の参考にしたい。それで地方出身の学生を集めて懇談会を開くことにした。ただ、みんな来てくれるかどうかそれが心配であるが。

 こういう努力を積み重ねないと、学生は来てくれない。こういった試みはほとんど私が考えて実施しているのだが、私の属する短大文科はそれが出来るほどよい大きさなのである。たぶん、これが四大の学部だったら、このように思いついたことを実行することはほとんど不可能だと思う。教員に負担をかける試みばかりだから、反対が出てだいたいつぶされる。実行に移すためには、上に立つもののかなりの指導力が問われる。それこそ独裁するような力業が必要だ。

 私の属する学科はみんな協力的で助かっている。何か改革を続けないとすぐにつぶれるという危機感を共有しているからだと思う。それくらい、われわれを取り巻く環境は厳しいということだ。だから、私は、そんなに権威的になったり、強引に進めたりする必要がなく、悪い人格にならずにすんでいる。ありがたいことです。

 今のところ思いついたことはだいたい実行に移している。後はそれがどのように成果として出てくるかだ。それは来年の募集結果としてあらわれる。数字が悪ければ私のせいである。世の中なかなか厳しい。

    卯の花や生き急ぐもの振りかえらず