何とか書き上げる2008/05/01 00:48

 何とか連休に間に合ったという感じだ。昨夜(29日)、4月末締め切りの原稿を何とか書き上げて送った。約5000字の原稿だがこ、二晩で何とか書き終えた。引っ越しの準備と体調を崩したこともあって、大丈夫かなとは思ったが、何とかなるものだ。ただ、さすがに書き終わったら胃が痛くなった。寒さもあると思うが、突然集中してものを書いたせいか、胃がついていけなかったらしい。風邪には強い胃なのだが、原稿を書く仕事には弱いようだ。

「かしはばやしの夜」は歌に満ちた童話である。農民の清作はかしはばやしの方から、調子外れの変な声で「鬱金しゃっぽのカンカラカアンのカアン」という声を聞く。その声に誘われるように、かしはの樹の精霊たちが織りなす歌の祭に入り込むのである。

 この「カンカラカアンのカアン」が、この物語の重要なポイントになっている。歌の祭が終わって、この世の世界に戻る清作は遠くで「カンカラカアン」と叫ぶ声を聞く。どうやら、異界に入るときにそして戻るときに聞こえる不思議な声であるようだ。

 そうなのだ。「かしはばやしの夜」は、このような変な声や、オノマトペの羅列のような変な歌のオンパレードで、これらの声が主役なのである。

 宮沢賢治については「銀河鉄道の夜」について書いたことがある。論らしきものを書くのは今度で二回目だが、書く機会をもらったことに感謝しなくては。

 今日は、基礎ゼミナールの授業のみ。わたちしたちの学園の始まりの歴史について学ぶ。パワーポイントを使って、いろいろと説明。やはりパワーポイントはこういう一般常識的なことを語るときには重宝する。

 授業が終わって、奥さんに車で来てもらいそのまま山へ向かう。本を詰めた段ボール箱を6箱運ぶ。研究室にあって中国の書籍も一箱分運ぶ。研究室には一昨日宅配で送った本が2箱届いた。研究室ももう本の置き場所がない。が、とにかくどこかに本の置き場所を確保しないと、どうしようもないのだ。

 末期癌で入院中のE君からメールが来る。家族以外面会謝絶になったそうだ。文面では元気な感じだったが。こういうメールははじめてだから返事のメールが難しい。昨日、Y君の家に友人3家族で訪問。この時期毎年の恒例の行事である。特に、Y君は今新居を建築中である。建て始めてからすでに1年経つがまだ出来ない。大工が、自分の芸術作品を作るように手間暇かけて建てているのが原因らしい。北山杉の太い大黒柱がすごかった。その印象をE君にメールで送る。

         夏めくや観音菩薩の肌ひかる