今城塚古墳と東京見物2014/05/26 09:32

 この土日出かける事が多い。先週(17日)は、研究会の人たちと大阪高槻市の今城塚古墳を見学に行って来た。この古墳継体天皇の墓だと言われている。大きな前方後円墳で、とにかく出土された埴輪がすごい。公式には継体天皇と言われてはいないが、地元の歴史館ではほぼ定説だという説明があった。現在は、この古墳、公園になっているが、もし継体天皇の古墳なら宮内庁が管理して誰も入れないはずである。

 継体の古墳なのに何故発掘され公園になっているのかというと、明治が始まる少し前、各地の古墳の調査が行われ歴代の天皇と関連づけられた。そのとき、高槻を収めていた藩が、ここは塚であって古墳ではないと報告したらしい。それで「今城塚」という名前なのであるということだ。塚だから宮内庁に管理されず、発掘調査が行われ、ここから、古墳を取り囲む円筒埴輪や、儀礼を再現したと思われる埴輪群が出土した。現在、古墳跡に実際の埴輪の群像が再現されている。巫女や令人、力士などの人物や鳥、牛などの動物、そして伊勢の神殿と比較される、棟持ち柱や千木、鰹木を供えた建物の埴輪、それらが並んでいる光景はなかなかのものである。

 何故このような配列で埴輪が並んでいるのか分からないという。実際に儀礼が行われていたのでは、というのがもっぱらの説だが、殯(もがり)の儀礼であるとか、いろいろ説はあるらしい。いずれにしろ、古墳時代の埴輪のリアリティを実感できた。二日目は野中古市の古墳を見に行く予定だったが、私は用事があって次の日の朝に長野へ。

 24日の土曜午後は、助手さんや学生と一緒に東京見学ツアーを行った。地方から出て来た学生に一緒に東京を見学しようという企画だったが、余り学生が集まらなかったのが残念。でも、総勢10人で、ちょうどいい人数だった。

 昼頃、神保町から、押上に行き、まずはスカイツリーの見学。すごい人でとりあえずここは見上げるだけで展望台は行かない。金もかかるし時間もかかる。東武線に乗って浅草へ。一応文学散歩でもあるので、石川啄木の葬儀を行った等光寺へ行こうとしたが、場所が分からずスマホのナビで何とか行き着く。この機能なかなか便利である。浅草寺や浅草神社参拝。浅草神社の祭神は、浅草寺に祭られている観音を堀から拾い上げた地元の人と、それを奉納した人で、三社祭りの三社の祭神はただ普通の地元民を祭った祭りだということを知った。所謂産土神でもなく記紀の神でもない。浅草寺創立の由縁人たちを、神として祭るところが面白い。

 浅草の吾妻橋から水上バスでお台場へというのが最後のコース。ところが、さすが混雑していてお台場への切符が買えない。一つ手前の日の出桟橋で降りて、そこからゆりかもめでお台場へということになった。水上バスは始めて。これが楽しみでこのコースを企画した。隅田川はきれいとは言えないが、ここから見る東京の風景もなかなかである。お台場での砂浜のテラスでお茶を飲み、解散。疲れたが、楽しかった。今度は、もうちょっと学生の数を増やして東京散策をしようと思っている。