三連休を楽しむ2014/01/13 23:24

 この三連休は久しぶりの休みという感じ。とにかく、体力作りに励んだ。この三日間、ウォーキングを毎日一時間以上続けた。だた歩くのはつまらないので、何処か目的地を捜してそこまで歩くことにした。一日目の目的地にしたのが、喜多見にある氷川神社である。この神社まで歩いて30分ほどかかった。なかなか良い神社である。鎮守の森がけっこう残っている。かつての村の鎮守だったところだろう。この辺りは多摩川沿いだから、川に関わる氷川神社を招聘したということか。そんなに小さい神社ではない。

 狛江の駅まで歩いていったが、北側の弁天池や泉龍寺もまた緑が残っていて良いところだ。狛江の駅付近から北方に向かって野川まで細い緑道がくねくねしながら続いている。この緑道はかつての野川の跡で、もともと野川はくねくねと曲がりながら、狛江駅近くを通って、多摩川まで行っていたのだ。たぶん、大雨で氾濫するとかいう理由で、現在のコースに野川を作り、古い野川は現在散歩道として残ったということである。

 昼間、近くの温泉巡りをしようということになった。そこで、調べたら、稲城に二つある。一つは南部線南多摩駅近くの「季乃彩」もう一つはよみうりランドに隣接する「丘の湯」である。いずれも車で30分ちょいの所である。仙川にもあるが、こちらは近いのでしょっちゅう利用している。飽きたので新しい所を開拓しようということになったのである。この二つに行って見た。二つともなかなか良いところである。「季乃彩」は温泉で、地下からくみ上げている。運動をして温泉につかるというのは、身体のためには最高。仕事がたまたまないからこそ出来る。これから忙しくなるのでもう無理だろうと思う。

 岩波から、近々、赤坂憲雄、河合俊雄、三浦佑之が中心になって『遠野物語』についての論集が出る。その中に私も書いているのだが、その初稿校正をすませ、明日の授業の準備、などをして今日は過ごす。『日本文学』が送られてきた。「教科書と文学」という特集で私の論が掲載。なかなか苦労した論だったが、まあまあの出来といったところか。

 最近読んだエンターティンメント系。ヴィヴェカ・ステン『静かな水の中で』、ラーシュ・ケプレル『催眠』上下巻、いずれもハヤカワ文庫。東野圭吾『疾風ロンド』。ハヤカワ文庫の二作はいずれもスウェーデンの推理小説。スウェーデンと言えば『ミレニアム』という傑作がある。最近北欧の推理小説が目立つ。何故だろうか。共通して、内容は陰鬱で心理主義的である。原罪を過剰に負った人間の陰惨な事件を描いている。事件は解決するが救済がない。『催眠』がそうである。『静かな水の中で』はそこまで陰惨ではないが、陰惨な事件でない分、物足りない。東野圭吾の『疾風ロンド』は明らかな手抜きの物語。
東野も作品を書きすぎではないか。設定も人間関係も文体もお手軽すぎる。

 ノンフィクションで、角旗唯介『空白の五マイル』(集英社文庫)は面白かった。まだ地図に空白地帯として残っているチベットの秘境を一人で探検する記録だが、読み応えがある。実は、チベットの探検隊に著者が加わる話があるのだが、その探検隊の隊長が学会の知人であった、そのことに驚いた。

 今読んでいるのが、イザベラバード『中国奥地紀行Ⅰ』(平凡社ライブラリー)である。著者の『日本奥地紀行』はとても面白かった。『中国奥地紀行』も見逃せない。特に、揚子江流域の文化は私の研究対象にもなっている。推理小説と違って読み進めるのに多少時間がかかる。それだけ味わっているということである。