ブックパーティと贈与2013/06/14 01:06

 今日(13日)はパーティが重なる。わが学科の読書室委員と学生課がタイアップして、ブックパーティ企画。そのブックパーティが今日の夕方5時からあった。ブックパーティは学生の命名。おすすめ本の会という名前だったが、それじゃつまらないというので、名前を変えた。大学・短大から15名ほどの学生が参加。なかなかの盛況である。私は、主宰者として最初に「色彩のない多崎つくる~」を紹介。ややネタバレ的紹介であったが、心理学の本だよ、という紹介の仕方をした。

 実は、一時間遅れて、違う階で、大学短大のFD・SD交流会なるパーティが開かれた。教職員の交流会である。110名ほどが集まる。ブックパーティを途中で抜け出しそちらにも参加した。私はFD委員なので参加を義務づけられている。普段交流のない教員や職員、助手さんといろろいと話す機会があり、なかなか有益なパーティであったかと思う。

 それを終えて、ブックパーティの二次会に合流。いつも行く近くのイタメシ屋である。二次会の資金は私が出している。これも教員の役割。初対面の学生も多かったようだが、けっこう話しが弾んでいる。ブックパーティは、2時間ほどで、15冊の本の紹介があった。私は前半だけしか聞けなかったが、それでも、みんな頑張って本を語っていた。このブックパーティ、成功したのではと思う。安堵である。7月にも開きたいが、さて今度はみんな集まるか、同じ形式でやるのか、考えどころである。

 今回は紹介で家で時間がいっぱいになってしまったので、今度はテーマを決めてフリートークでの会を考えようと思っている。今回は学生が司会をやり私はほとん何もしなかったが、教員がアイデアをだし、学生がさらにアイデアをだし、そして学生主体でイベントが企画され、何とか成功のうちに終わる、というのが理想。

 人を集める企画を出してそれを実現させ、さらには成功に導くという体験は、かなり貴重。そこでの苦労は成長の糧になるはず。特に、人と積極的に関わるような体験が不足している学生が多いので、学校では、そういう機会を多く作るのも教育の仕事なのである。面倒だが、けっこう楽しい。授業以外で学生と話しができるし、こういう共有体験は、学生の卒業後も記憶に残るものだ。

 ちなみに、二次会の費用も私の労力も、学生への贈与である。学生が大人になって、人を面倒みるような立場になったとき、この贈与を思い出してくれたらいい。そうすれば、きっと、面倒を見るものたちに贈与をしてあげられるに違いない。少なくともその先例を体験しているのだから。こういう連鎖が必要なのだ、ということを、内田樹が言っていた(内田樹・岡田斗司夫『評価と贈与の経済学』)。その通りだと思う。

 明日は市民講座で万葉集を教えに八王子まで行く。この講座実は旧八王子校舎の利用目的で、受講料は無料である。ちなみに私はこの講義のために、かなりの時間を費やして資料を作る。微々たる報酬なので、私の労力は贈与のうちに入るだろう。ただ、この場合、私の勉強の意味合いがある。見方を変えれば、熱心な聴講生がいるから、私は勉強の機会が与えられる。そう考えれば贈与を受けているのは私なのかも知れない。まあどちらでもいいが、贈与のおかげで日々忙しいのである。