恒例の花見2012/04/10 01:19

 先週の土日はたぶんみんな花見の週末ではなかったろうか。私も、土曜は友人達と狭山湖での花見だった。これは毎年恒例なのだが、今年は寒くて、狭山湖畔にはほとんど花見客がいない。桜もまだ五分咲きといったところである。とにかく風が冷たい。ということで、近くの友人宅で花見ということになった。これも恒例である。

 日曜は、マンションの花見。これも恒例である。日曜は天気もよく花見日和。マンションの庭の桜の下で住人達がそれぞれ食べ物や酒を持ち寄って一日宴会をする、というもので、マンションが出来てから毎年やっているという。このマンション35年経つから35年はやっているということになる。

 まずアプローチの連絡ボードに、係が花見の候補日をあげ、住人がそれぞれ自分の部屋の記号の箇所に出られる日に○を入れる。実は、始め多数決で土曜日の7日に決まったのだが、新しく入居したひとなどが日曜日の法が都合がいいということもあり、日曜の希望者が多くなったので、日曜に変更となったが、これは正解であった。土曜日だったら寒くて震えながらの花見であったろう。

 このマンションは入居者が設計から建築まで共同して行ったいわゆるコーポラティブハウスなので、入居者同士のつながりが強い。創始の時からの住人(15戸)は少なくなってきていて、かなり入れ替わっている。私たちも5年前に越してきた。それでも、伝統というものはたいしたもので、長屋のように住人が顔見知りである。ただ。中には一度も顔を見たことのない人もいるが、それはそれなりに了解されている。例えば有名な翻訳家のY氏は一二度すれ違っただけで、顔をほとなんど見たことがない。みんなも同じである。奥さんの話によると生活がほとんど夜昼逆転しているので、みんなと合うことはないという。

 去年越していった人も花見に来た。また、引っ越していったが、オーナーとして部屋を賃貸にしている創始の住人も来てくれた。新しく越してきた二戸の住人も顔を出した。さらに、空き家になっていて賃貸物件になっている部屋があるのだが、たまたま花見の当日にそれを見に来た若い夫婦をだれかが連れてきて、花見に参加してもらった。というわけで、かなり賑やかな花見となった、5年住んでいるが、初めて顔を見る人もいる。同じ建物に住んでいるのに、顔を知らないというのも不思議と言えば不思議だが、日本ではこれが普通である。

 花見が終わり今日(月)は出校。11日から授業。市民文化講座も始まる。その講義ノート作りでかなり時間を費やしたが、こういうのもそれなりに楽しいものである。5月の学会の準備もあり、やることは多い。

 DVDを何本か見る。原田芳雄の『大鹿村騒動記』はともて面白かった。芸達者な役者たちが楽しんで演じているのがよくわかる。新しい映画ではないが『アンノウン』は、スパイものだが、展開の先が読めなくて、けっこう面白い。『ボーンアイデンティティ』と設定は似ているが、こっちの方がサスペンスとしてはよく出来ている。それからニールジョーダンの『プルートで朝食を』。『クライングゲーム』と同じような設定だが、こっちは完全にお姉エ系が主人公。こけれがなかなか泣かせる。それでいてとても洒落ている。さすがニールジョーダンである。それから、1983年の古い映画だがクローネンバーク監督の『デッドゾーン』。事故で予知能力を持ってしまった男の物語だが、傑作という評価が高いのも頷ける。

 DVDは原則として旧作しか見ない。ツタヤで四本千円だから。だから、良い映画を観たときはとても得した気分になる。今回はとても得した気分になった。