中国からお見舞いのメール2011/03/16 00:41

 今日は本当は卒業式なのだが、延期になったので、とりあえずの出校。というより、卒業者に卒業証書等の書類を郵送するための事務作業の手伝いのために出校である。わが学科で出校したのは教員は私一人。助手さん達の私とで、袋詰め作業を行う。学生は誰もこなかった。わが大学の情報伝達システムはなかなかのものである。昨日の決定が、メール等を通して学生全員に行き渡る。まあ、学生も気が気じゃないから、また学校からメールかなどといって読まないということはなかったようだ。

 夕方、6時20分から停電の予定。暖房はとまるだろうし、真っ暗になるから、奥さんと、厚着して、懐中電灯を握って、さあいつでも来いと待っていたのだが、6時半過ぎても停電にならない。そのうちなるだろうと待っていたのだが、7時頃に中止になりましたと、屋外に設置された市のスピーカーから放送がある。今回も拍子抜けであった。

 陸前高田市出身の学生がいて実家と連絡がとれないでいた。私たちも心配していた。壊滅状態の街である。ひょっとしてと思っていたが、昨日、その学生の親戚から無事であるという連絡があったそうである。何でも、実家までは津波は来なかったということらしい。ほっとした。親の無事がわかるまで学生はいてもたってもいられなかったろう。しかし、無事で無かった人も大勢いたのだ。そのことを思うと胸が痛む。

 張先生から、東京は大変なことになっているらしい、と安否を気遣うお見舞いのメールが届いた。中国でもみんな心配しているらしい。特に、福島原発の事故が大々的に報道されていて、東京が今にも放射能に汚染される、というような受け止め方をしているようだ。大げさだと思うが、今朝の朝日新聞を読むと、今にも大惨事になるから覚悟して準備しろ、というような書き方である。テレビでも官房長官や東電の広報の人に、本当はもっと危ないのじゃ無いのか、何か隠しているだろうとくってかかる記者がいるが、けっこうマスコミが危機感を煽っているのではないか。

 学校に行ったら、助手さんが、東京に放射能がくるから、放射能を吸わないように研究室の空調は止めたほうがいいと、電話があったので、先生方の部屋の空調を止めました、と言う。私は、ほんとにそうなら政府がきちんと広報するから、あまり、そういう情報に振り回されない方がいいと話をした。

 チェーンメールもそうだが、こういう類いの情報は、政府などというものはもともと信用できない、絶対に大事な情報を隠しているはずだ、という疑心暗鬼の心性によって、広がるものである。いわゆる陰謀史観というもので、阪神淡路大震災のときも、政府の情報操作によって、本当の被害はわからないといった類いの話がかなり横行した。政府は信頼できる、というつもりはないが、こういう震災の時に、公が信用できなければ、われわれはパニックになるだけである。今の政府が信用できるというつもりはないが、少なくとも嘘をついて情報操作をするほどの力を持つ政府で無いことは確かである。枝野官房長官などはむしろよくやっていると思う。仙石でなくてよかったとみんな思っているのではないか。

 今、必要なことは、とにかく冷静になることだろう。食料を買い占めたり、中には、トイレットペーパーも無くなると騒いでいる人もいるという。冷静に考えれば、おかしな話である。

 張先生は放射能が不安なら中国へしばらく来たら、と言ってくれた。仕事がないなら行きたいが、そういうわけにもいかない。福島原発で命を張って事故に対処している人たちの努力を信じたいと思う。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://okanokabe.asablo.jp/blog/2011/03/16/5741565/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。