セカイ系を読む2010/09/26 23:24

 たまたま金曜日に雑用があって出校。帰ろうとしたら知り合いのOさんから電話。近くまで来ているので寄るからという。学校の近くで待ち合わせ、神保町のランチョンに行く。彼には、以前、漢字を学ぶという講座を持ってもらっていた。最近会っていないので、何やっているのとい話にっなった。彼は自由人で、あちこちと面白そうなことがあれが首を突っ込んでいる。未だに何で食べているのか良くわからない人である。

 一時間ほど話をして別れ、神保町の地下鉄に向かって歩き出したら、古代の学会の重鎮Tさんに声をかけられる。今日はなんと偶然が多いのだ。これから、國學院に授業に行くという。それじゃというので、半蔵門線で表参道までご一緒した。表参道から歩いて國學院まで行くという。

 昨日の土曜は、奥さんと中目黒の岩茶房という店に行った。京都の研究者Mさんの紹介で、中国の岩茶を専門に飲ませてくれる茶房があるから是非一度行ったらいいとすすめられたのである。中目黒の駅から歩いて五分くらい。静かな住宅街にあって民家の一階を店にしている。中華のお昼も食べられる。麻婆豆腐を頼んだが、自家製の材料でなかなかおいしかった。おすすめの岩茶を飲み、中国茶を味わって帰ってきた。静かに中国茶を味わい人にはお勧めの店です。http://www.gancha-bou.co.jp/

 帰りに携帯を新しい機種に変えた。何でも今の機種は来年使えなくなるので買い換えなきゃならないらしく、仕方なしに成城の駅前の店で買い換えることにした。あまり多機能でも使わないので安いのでいいと言ったのだが、ただ、中国で使うので、グローバルパスポートがいいというと、安いのはないという。仕方なく、テレビを見られるというのに換えた。

 この二日間で、セカイ系の代表作「最終兵器彼女」(マンガ7巻)と「イリヤの空UFOの夏」(小説4巻)を読む。それからアニメで「ほしのこえ」を観る。基本的にみんな同じである。女子高生(イリヤは中学生)が地球の危機を救うために戦うという設定は同じ。同級生の男の子と恋愛関係にあり、戦う兵器にされ人間性を失いかけるところを、男の子との恋愛でいやしてもらうという設定である。男の子は戦闘から排除され、少女が戦うことの理不尽さを訴えたりそれに耐えるだけである。

 エヴァンゲリオンで使徒と戦う少女が日常の学生生活に戻って自分を取り戻す設定というように言えば分かりやすいだろう。いずれもエヴァンゲリオンの影響を受け、ポストエヴァと呼ばれる作品で、だいたい2000年代初めの作品である。

 なかなか面白かった。何故戦争が起こったのか敵がなんなのかはどの作品でも描かれないのはエヴァと同じだか、戦う兵士にとって戦争は運命であり、死ぬか生きるかでしかない。そこから救われるのは私的な恋愛でしかないという絶望感がよく描かれている。

 ただ、問題はそれを演じるのが兵器となった少女と、その少女の人間性を回復させようとする男の子であるということだ。こ少年少女が世界の中心に位置するのは特にSF日本アニメの基本イメージであり、アニメの世界観を構成していると言ってもいい。特にエヴァ以降はその役割が少女に傾いた。これはどういうことだろう。色んな解釈が可能だろう。地球の危機と闘う少女は突然神の啓示を受けたジャンヌダルクであり、自分の彼女でいるときは、男の子の理想である従順な女の子であるということである。そのギャップのドキドキ感と、その両方に自分だけが関わっている(あるいは所有する)というおたく系の男の子の密かな満足(願望)がかなり入っている、というのは言える。

 セカイ系を勉強し始めたばかりだが、少しわかってきたような気がする。  

蝶蝶が飛んでいかぬか秋の海

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