久しぶりの絶叫コンサート2010/06/23 10:22

 昨日は夕方知人と吉祥寺で待ち合わせ、福島泰樹の絶叫コンサートへ行ってきた。 立松和平追悼コンサートと銘打たれ三日間連続のコンサートである。私は招待状をもらっているので、時間があればいこうと思っていたが、会議がなかったのと、知人が誘ってくれたということもあって出かけることにした。

 絶叫コンサートも久しぶりである。追悼コンサートということもあってか、後ろのバンドも往年のメンバーが全員揃っていて、なかなか充実したコンサートだった。福島はもう30年も、短歌や詩の朗唱というより謡いを繰り返し演じてきている。会場は満員だったが、常連がたぶん半数以上いるだろう。私もそうだ。みんなすでに何度も同じ曲を朗読を聞いている。一曲終わると会場から、よし!とかけ声がかかる。こうなると、もう歌舞伎みたいなもので、伝統芸の域に達している。

 会場では、福島さんのところの短歌会の人たちと久しぶりに顔を合わせた。ずっと顔を出していなかったので、来て良かったなと思う。ここんところ、原稿書きと雑務と授業の準備とで、正直、きりぎりで生きている感じだっので、少し気分転換になったのではと思う。終わってから吉祥寺で知人と酒を少し飲んで、12時に帰宅。こんなに遅く帰ることも久しぶりである。

 今かかえている雑務の一つに、某予備校で制作した文章表現のDVDとテキストを観たり読んだりしている。勤め先で、入学前教育というものをやらざるをえなくなり、どういうものがいいか、いろいろと企画を立てているのだが、その一つが、予備校で制作した文章表現のDVDとテキストというわけだ。今、予備校も生き残りをかけて必死である。大学教育向けに、様々な商品を開発していて、例えば大学に入学予定の学生で基礎学力不足の学生に対する補習教育を予備校がになっているのだが、このDVDもそういつたものである。

 文章表現は、私もかつて予備校時代に参考書をつくったこともあり、勤め先でも基礎ゼミのテキストとして、レポートの書き方を書いている。本来は教員がやらなければならないのだが、とてもじゃないがそんな余裕がないのが正直なところだ。正課のなかでならやれるが、入学前の補習教育までは手が回らない。そこで、どの大学でもそうだが、予備校に丸投げして担ってもらおうと言うことになる。

 ざっと観てみたが、良いとはいえないが、それほど悪くもない。文章表現の授業やテキストなんてだいたいこんなもので、講義で文章がうまくなるものではない。添削して書き直させるのが一番効果的なので、文章表現教育とは、要するに手間暇かけるしかないのである。四回の添削があるので、システムとしてもまあまあかなと思う、ネックは、費用がかかること。今のところ、希望者のみで、学生負担という仕組みの商品なので、これでいいのかどうかこれから議論しなければならないだろう。

 DVDをみていたら知人が出てきた。そうか彼はまだこの予備校でがんばっていたんだ。看板講師だからな、と納得。彼ばかりではないが、DVDに出てくる講師たちの話はやはりプロであるから聞かせる。私も予備校で鍛えられてかつてはこのくらい面白く話が出来たのだが、最近、だめになったなあと痛感。久しぶりに予備校講師の講義を聴いて昔の自分を思い出したのであった。  

    万緑や死者の声する詩を聴く