卒業レポート全員提出2010/01/18 23:22

 センター試験も何とか無事に終わって一安心。なにせ私は試験場責任者とやらをやっていたものだから、何か問題が起きるといろいろと大変な立場だったのである。とりあえず、全国ニュースにのるようなトラブルは無くてよかった。

 一日目の一時間目のとき、北海道のある大学が、次の時間のテストの科目の問題訂正を板書してしまったものだから、その教室の受験生は次の科目の問題の一部を知ってしまう結果となり、次の時間まで他の受験生と接触しないように教室に軟禁状態にされた。それが全国ニュースになった。

 確かに、あの問題訂正は間違いが起こるのではないかと入試関係者は心配していた。1限と2限目の二科目の問題訂正の紙が二枚一緒に配布されてきたのである。決して間違いないようにとこちらも念を押したのだが、やはり取り違えて板書した者がいたというわけだ。ほんとにうちでなくてよかった。

 『古事記』の編纂者についての12枚の文章を何とか書き終え、出版社に送付。別に自説を展開する文章ではないので難しくはなかったが、12枚に、いろいろな要素をまんべんなく書き込んでまとめるのはそれなりに大変だった。ただ、こういうのは書き慣れている。短歌の時評を含めてこういう文章を私は膨大に書いているからだ。そういう意味では私は職人である。

 書いていて気づいたことは、古事記を文学的に読もうとすると、編纂者という存在は邪魔になるということである。というのは、編纂者は、古事記をその時代の国家なり制度の枠組みの中に整理する存在だからで、従って、古事記の読みをある方向に誘導する存在である。が、自由に、それこそ文学として読むものにとっては、編纂者などという存在はどうでもいいし、いなくてもよい。古事記偽書説を唱える研究者は、どちらかと言えば、国家以前の「語り」をそこに読もうとするものが多いが、これもある意味での文学的な読みであろう。

 今日、卒業セミナーの授業。今日が卒業レポートの締め切り。19人いるが、最低8000字のレポートである。ウェブ上で受け取れるが、直前までウェブで送ってきたのは4人。正直心配になった。苦労して指導したのに、提出出来ない者が何人いるだろうか、と不安な気持ちで教室へ。

 が、なんと全員提出。思わず私は一人で拍手した。みんなそれなりに力作である。来週までに卒業レポート集として冊子にして、みんなに配る予定。とりあえず、よかった。

やきもきはらはら教師の初仕事

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