今年もまた古本バザー2009/10/07 00:02

 ここんところ中国の民話や神話を読んでいる。実は、勤め先の研究所のプロジェクトで穀物と伝承といった分野の担当を引き受け、その報告論文を今月に書かなきゃならないからだ。調査した伝承資料や、中国の少数民族、特に照葉樹林帯地域の神話などを集めて、そこから、照葉樹林の食文化らしき痕跡をさがそうという試みである。

 読み始めると、けっこう見つかるから面白い。去年のワ族の神話調査でも貴重な稲の起源譚を蒐集できたが、日本で出版されている少数民族の神話や民話の話もなかなかである。気付いたのは難題婿型の話に焼き畑の話が多いことだ。難題婿の話は日本でもお馴染みのものだ。例えば、出雲神話のオオクニヌシがスセリビメの婿となる時に姫の父であるスサノオから難題を出される。スセリビメのお蔭でその難題を解決するが、中国もだいたいみんな同じである。チベットの神話と苗族の神話に同型の話があるが、この難題の一つのパターンとして、山を焼いて火攻めにする話があり、これは焼き畑である。その畑に穀物の種を蒔けとか、蒔いた種を一晩で集めろとかいうのがある。蒔く種もトウモロコシとかアワとか大豆である。これはなかなか興味深い。何とか書けそうである。

 学園祭が17日・18日にある。私の学科では読書室というのがあり、学生や教員が読書室活動というのを行っているのだが、この読書室で、学園祭で古本バザーをやる。古本を集めて、学園祭で販売し売り上げを募金として寄付しようというものである。去年は2万円ほど寄付できた。

 ただ、今年は、本がなかなか集まらない。去年かなりあつめたのだが売れそうなのはみな売れてしまった。今年も呼びかけているのだが、集まりが悪い。もし本の置き場所に困って、あるいは処分してもいいという方がいたら、本を寄贈してくれるとありがたい。ただ、あんまり売れそうもない本ばかり集まりすぎると、こちらも売れ残った本の置き場所に困る。学生にそこそこ捌けそうな本であると助かる。

 短歌時評の文章を歌誌『月光』に連載しているが、そこで「アジアのなかの短歌」というエッセイを書いた。日本の短歌はアジアの歌文化の一亜種である、というような内容である。ある歌人がその文章を読んでそれへの書評として書いた文章を送ってきた。期待しているので、体系的に論じた本に是非まとめて欲しいという内容だ。うーん、期待されているのはうれしいが、なかなか時間が。それにしても、意外に反響はあるのだと驚いた。これはまとめないとあかん、と思った次第である。

                         薄物を着重ねするや秋の暮れ

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