いよいよ選挙か2009/07/22 01:03

 先週の連休は、山小屋と職場を往復した。土曜はオープンキャンパスに研究会。月曜は授業である。これだけ忙しいと山小屋に行くのも面倒だが、やはり暑さと、息抜きというのが理由。それに、S一家が二人の子供を連れて来るというので、それも楽しみで山小屋へ向かった。土曜に茅野から東京へと特急あずさで往復し、月曜はやはりあずさで職場へ向かう。奥さんは、火曜に来るまで自宅へ。月曜は高速が大渋滞なので、火曜に帰ることにしたのである。

 月曜に職場に行ったところ、道路にとにかくたくさんの人が溢れている。講堂の脇にバスが止まっていて、テレビ局も来ているようだ。何だろうと思ったら、アリスのコンサートをやるということだ。そういえば、勤め先の職場の講堂でコンサートをやるという話を思い出した。今日だったのだ。

 授業が終わって帰る時にまた道路に人があふれ出している。コンサートが終わったのだ。コンサートの余韻を皆漂わせている。とにかく私と同じような年代が多い。でもけっこう若い人もいた。親に連れられてということだろうか。

 私の勤め先の講堂は、かつて東京では日比谷講堂と並んでいろんなイベントに使われた。二千人収容の講堂は、日比谷とうちの講堂しかなかったのである。だから、ニューミュージックの聖地と言われた。たしか学生運動の集会で使った記憶もある。私の世代にはいろんな思いでのある講堂だが、その講堂のある職場に勤めるとは思わなかった。

 もうだいぶ前から講堂を不特定多数の人には貸し出しをしていない。設備が古いということもあるが、設備の問題があって不特定多数の人には貸せないらしい。ただ、ある特定の団体に貸し出すことは可能で時々イベントの会場として使われている。実は、今回は、不特定多数の人に貸し出したのではなく、アリス友の会の会員に貸し出したということらしい。それに千代田区もかかわっているらしく、いろいろと用意周到のコンサートだったようだ。そのために交渉に2年かかったということである。

 今日は、衆議院解散の日。歴史に残る日になるのかどうか。私は最近生活は保守的になったが、気分は保守ではないので、政権交代はして欲しいと思っている。まあ大多数の人の気分ではないかと思うが。

 今の政治のテーマはどうやら行き過ぎた市場原理主義をどう抑制するのか、ということのようだ。麻生首相がそう言ったということだ。テレビに出てくるコメンテーターも政治家もみな同じことを言っている。たしかにそれは間違っていないだろう。

 資本主義は否定出来ない。資本主義の先を語る展望があるわけではない。とすれば、金融資本主義と呼ばれる、行き先がわからずいつ破綻するのかわからず、一部の特権層にしか利益が分配されない、最近のマネー資本主義にブレーキを掛けたいというくらいしか、テーマが見つからない、ということだ。

 その意味ではこの選挙、政権交代という歴史的な事件が起こるかどうかという以外に、争点のない選挙である。政策は結局、行き過ぎた資本主義の抑制というテーマでみな同じなのである。

 ただ、その抑制の仕方は、それこそ社会主義的な政策から、ケインズ的なやり方、市場原理に任せる自由主義経済路線まで様々である。似たり寄ったりであるが、みな違う。ただ、言えることは、セーフティネットを作るにしても、余り国家が主管するシステムを大きくしないことだろう。郵政民営化は方向は正しい。福祉も目指すところは民間主体であるべきのはずだ。国家の関与でしかセーフティネットが作れないとしたら、当然官僚の権限が強くなり、権力機構が強固になり、システムは非効率になる。結局破綻するだけである。ただ、民間主体であるというのは、私利私欲の一面を肯定することであり、全体の利益とのバランスが難しい。

 今の日本は、官僚が近代以降作り上げてきた強固な権力機構の非効率さににっちもさっちもいかなくなっている。特殊法人に税金が使われ、たくさんの天下りした元官僚に高給を支払う構造は変えるべきである。たぶん今日本人はほとんどこう思っているはずで、民主党の支持率が高いのは、政権交代がこのような構造を変えるのではないかとの期待があるからである。むろん、甘い期待に終わる可能性はある。

 今度の選挙日は日本にいる。今度の夏は中国の調査に行かないことにしたからである。その意味で、選挙をおおいに楽しめそうである。

                       選挙カーミンミンゼミと競いけり

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