気分良く酒を飲む2009/04/27 23:59

 25日(土曜日)地方出身学生との懇談会があった。これで3年目である。地方出身の学生はたぶん初めてのひとり暮らしだろうし、まだ友達も出来てないだろうから、そういう学生を集めてケーキでも食べながら雑談をすれば、少しは気も晴れるのではないかと、私の発案で始めたのであるが、1年目はほとんど集まらなかった。期日が5月ということもあって、土曜日はみんな予定が入っていて、けこう友達も出来ていたということもある。それで、4月の連休前にしたのだが、今年は9名が集まった。

 まあまあという人数だが、今年は本当に遠くから来た学生は少ない。青森からがひとり、新潟からひとり、長野からがひとりで、後は栃木、埼玉、千葉である。浅草というのがいたが、これは地方出身ではなく、地方出身の友達と一緒に来た。けっこう盛り上がったのでまずは成功というところだ。

 話を聞くとやはり通学の時の満員電車がつらいと言う。確かに此ばかりはアドバイスはあげられない。私など、それに乗りたくないから一限目に授業を入れてないので、アドバイス出来る立場ではない。寂しいという感想も出たが、初めてのひとり暮らしなのだから当然だ。実は、私もこれにはアドバイス出来る立場にはない。私は、ひとり暮らしをしていた時期は実は余り長くはない。地方から出てきてすぐ学生運動していたから、だいたいいつもだれかと一緒に寝起きしていて、ほんとに独りで生活していた期間は短かったのではないか。逆に考えれば、独りで生活するのが辛かったから、学生運動に入ったのかも知れない。全くないとは言えない気がする。

 土曜の夕方に3年前の卒業生達が尋ねてくる。これからかつての同級生と飲み会だということで、私も誘われている。雨が降っていたが、水道橋近くの居酒屋に行く。最初は5人だったが、結局7人集まった。この学年は、ゼミで一緒に遠野に連れて行ったり、学園祭で「遠野物語パネル展」を開いたりといろんなイベントをした学年で、私が学科長になる前に教えたものたちだからとても印象深い。

 さすがにみんな大人になったー、という感じで、一瞬誰が誰だか分からなかったが、だんだん蘇ってきて、ほとんど時間が3年前に戻ってしまった。結婚したばかりのものもいればこれから結婚するというのもいる。転職したものもいる。いろいろあるだろうが、みんな逞しく生きているというオーラが漂っていて、元気づけられた。久しぶりにビールを2杯飲めた。だいたいいつも一杯が限界なのだが、気分がいいので二杯までいけた。これ以上は、裸になって叫ぶ危険があるからと言ってセーブした。

 ところで草彅君の事件は考えてみると不思議だ。国民の90%以上が草薙君に同情的だと言うアンケート結果が出ている。悪態をついた大臣はこてんぱんに攻撃されたし、テレビでのコメンテーターもみんな草薙君をかばう。それなのに何故自粛するのだろう。それがわからん。

 自粛とは謹慎であって、世間の厳しい視線をひたすら避けてほとぼりが冷めるまでじっとしているという行為だ。が、最初から世間は誰も厳しい目を向けていないのである。法律を犯したというが、あの程度なら若者は何時でもやっている。これはどうもいつもの儀礼の手順であって、手順である以上おかしと思っても変えられないということのようだ。

 家宅捜査が入ってよかった、これで後から薬物疑惑がでてこなくて済む、という弁護士の発言には、やはりこういうプロは先を読んでいるなあと納得。草薙君を過剰に自粛させるのは、逆に、草薙君からケガレを祓い、さらに同情を集めて今まで以上に売り出す、というプロダクションの戦略なのかも知れない。草薙君が記者会見で、これから酒は飲みますか、という質問に、しばらくの沈黙の後、大人に成長しておいしいお酒が飲めたらいいと答えたのは、スマップのメンバーがお酒のコマーシャルにでていることを考慮した発言という解説があり、この世界みんなたいへんなのだと変に納得した。
 
                          気分良く酒を飲めたね春深し