関係を豊に2008/12/19 01:08

 ようやく授業もだいたい終わった。ただ、会議で明日は出校。22日も授業はあるが、これは卒業レポートの仕上がり具合の確認。

 今日は忙しかった。午前中一コマ。午後は公開講座の講義。万葉集である。それから会議が三つ。終わったのは6時過ぎ。

 午前中の授業は地域文化論。雲南の少数民族文化を教える授業。最近余り人が集まらない。一時は百人入る授業だったのだが。少数民族の人たちの貧しいが屈託のないその生活や文化を学ぶ事にどういう意義があるのか、つい今の大不況と重ねて熱弁を振るう。

 君たち、こういう生き方(少数民族の人たちの)があるということを知ることは、自分の生き方の選択の幅を広げることになるんだ。これは、この大不況の時代にはとても重要なことだ。自給自足の現金収入の少ない生き方でもけっこうやっていける。別にそういう生活をしてみたらということじゃなく、幸不幸の基準は必ずしも物質的な豊かさではないというということを知っておくことは悪い事じゃない。

 それから、人と人との関係を築くことが大事だということもわかったろう。独龍族は他人の家に勝手に上がり込んで食べものを勝手に食べる。それが許されている。そうしないと生きていけないからだ。つまり、彼等は人と人との関係を豊にしないと生きていけないほど厳しい環境の中で生きている。物質的に豊になると人は孤独になる。関係を豊にする必要が薄れるからだ。不況で職を失っても豊かな関係を失わなければ何とか生きていける。そういうことを知っておくことも大事だ。

 てなことを語ったのだが、学生達はあんまり真剣に聞いていなかった気がする。でも、どこか心には引っかかったはずだ。あのとき教師が変なことを語っていたがこういうことだったんだと分かる時があるかも知れない。それでいい。

 一番遅い会議は短大の自己評価報告書作成ワーキングの会合。スケジュールの確認だが今度新学長が決まったので、新学長に出席してもらい作業の分担などを確認した。終わってワーキングのメンバーで新学長を交えて忘年会。最近職場関係での飲み会がなかったので、久しぶりである。こういうコミュニケーションの取り方の方が楽しくていい。

                          咳をする人と語らう酒を飲む