襖貼り2008/02/12 00:10

この連休は、文章表現のテキスト作りと、家の襖貼りである。文章表現はわが学科の必修であるが、共通のテキストがない。教養講座の共通テキストをE君が作ってくれたので、それをわが学科用に何とかアレンジしようと昨日から取り組んだ。

 市販のテキストもないではないが、できるなら自分たちで作りたい。が、自分たちで作ると問題になるのが、著作権である。誰かの文章を引いて問題を作れば、必ずそこに著作権が発生するからいちいち断らなくてはならない。さすがに、それは面倒で出来ない。だから、文章の書き方や問題も自分で考えて作る他はない。

 もともと私はS予備校で「考える小論文」という参考書を出しているので、こういうテキスト作りは初めてではない。ただ、今までさすがに作る時間がないのでほうっておいたのだが、ここにきて作らざるを得なくなってきた。

 実は、私が書いた文章が東大の国語問題に使われ、おかげであちこちの参考書から著作権の使用料とやらが入ってくる。もっとも数千円程度の額ではあるが。さすがに東大入試の問題に使われると多くの参考書に載ることがよくわかった。東大を受ける優秀な学生が一応は私の文章を嫌でも読まざるを得ないわけだから、悪い気はしない。「考える小論文」もまあまあ売れたようだ。といってもたいして印税は入らなかったが。この本評判よくて、名著だと言ってくれる人が多い。評論や研究の本は誰もそう言ってくれないので、心中複雑である。

 勤め先ではさすがに「文章表現」の授業は持てないが、こういう基礎的な授業に今大学では力を入れているのである。 

 今日は天気がいいので襖貼りをした。まず古い襖の取っ手をはずし、枠の桟にマスキングテープを貼る。ホームセンターで買ってきた新しい襖紙を取り出し、広げて裏側に水で塗らす。糊がついているので糊が溶け出すのである。それを襖に貼って、はみ出た紙をカッターで切る、という作業なのだが、この余ったところをカッターで切る作業が難しい。

 まず、しわが寄らないように綺麗に貼るのがなかなか難しい。水で塗らしているのでどうしてもしわが寄るのである。それから、カッターで端のラインに合わせて真っ直ぐに切るのがなかなか上手くいかないのだ。本来のやり方は、襖の木の外枠を外して、紙を貼ってから枠を取り付けるのだが、とてもそれをやっている時間と技術がないので、枠を外さずに貼った襖紙をカッターで切るという簡便なやり方にしたのだが、どうしても真っ直ぐに切れないのである。

 理由は、よく乾いていないのですっときれないのと、貼り方にムラがあるせいと、私が不器用なせいである。奥さんがみかねてあんたほんとに不器用ね!と言いながら私からカッターを取り上げて自分で切り始めた。ムッとしたが、確かに私よりはうまい。

 悪戦苦闘して半日で何とか二枚の襖を貼った。部屋が少しは明るくなった。まだ3枚残っていて、これはまた後日である。

          春寒き午後の日差しや襖貼り