手塩皿2008/02/10 00:36

 今日は朝から入試の会議。何とか明日の合格発表にまでこぎつけた。とりあえず一段落である。

 久しぶりに明るいうちに帰ることができた。川越ではうっすらと雪が積もり始めている。帰ってチビの散歩。近くの新河岸川の講演や河岸沿いの道を散歩する。さすがに雪の中で寒かったし、チビも足が短いから身体が泥での跳ね上がりで汚れる。

 やはりこういう散歩コースのあるのが私の住む川越のいいところだ。川の土手や田んぼや畑がまだたくさんあって、犬にとってはアスファルトの道ばかりの都心よりは快適だろう。人間だって同じだ。むろん長野の山荘の自然にはかなわないけど。

 通勤が苦痛で都心にワンルームを借りようと思っていたが、とりあえず、しばらく様子を見てからということになった。というのも、私のメタボの身体にとって、都心に住居を借りたら間違いなく運動不足になる。そしたら、血圧もコレステロールの更に値が上昇し、いつか倒れると、人に言われ自分もそう思う。

 このくらいの郊外で多少歩いて通勤し犬の散歩をする環境であったほうが、身体にはいいということだ。

 夜9時から「世界不思議発見」を見る。雲南の少数民族の特集である。この番組は時々雲南の少数民族の特集をやる。だいぶ前だが一度私の所に「世界不思議発見」から電話がかかってきたことがある。雲南の少数民族への問い合わせで、その時は、モソ人のことを番組で扱うということだったので、E君を紹介した。番組ではE君の紹介でモソ人を取材し、放送時にはE君は番組の収録に招待されたそうで、私も誘われたが忙しくていけなかった。テレビ局や新聞社から時々少数民族についての問い合わせがあるが、私がアジア民族文化学会の事務局であり(今代表やってます)、ホームページにもいろいろと紹介しているので、私のところに連絡がはいるのだ。

 今日のは、ハニ族とぺー族の文化の紹介で、ペー族は私の専門だし、大理も何度も行っているところだから、面白く見た。テーマとしては、著名な雲南の少数民族出身の舞踊家の故郷を訪ねる、という設定である。

 確かこの舞踊家の作った映画を昔見たことがある気がする。少数民族の踊りを現代風にアレンジした舞踏団を作っているらしく、3月に日本で公演するということだ。少数民族の踊りをエキゾチックな演出でアレンジした舞踊は、雲南で飽きるほど見ている。そんなに興味はないが、ただ、こういう舞踊は少数民族の文化が、世界に受けいれられて行こうとする一つの方向であることは確かだ。原初の生命観やエネルギーをそこに見ようとしているということだが、今の段階では、観光客に見せる見せ物の域を出ていない。どうせならさらに徹底して、日本の暗黒舞踏のようなところまでいったら、たいしたものだと思うが。

 6時から「人生の楽園」という番組があって、私の年代の夫婦が田舎暮らしをしながら第二の人生を頑張っている人を紹介するという番組で、時々見て、参考にする。私の第二の人生はこういうのではないなと確認するだけだが。たまたま手作りで塩を作っている天草の夫婦が出てきたが、そこで手塩にかける、という言い方が出てきた。手塩って何だと奥さんに聞いたら、手塩皿というのがあると言う。

 手塩皿とは、食事の時に塩を盛る小さな皿で、調味料ではなく、食事を清めるために塩を盛る皿のことだそうである。それは知らなかった。ところで手塩にかけて育てる、という意味は、江戸時代の歌舞伎のセリフから来ているらしいと辞書にあった。

 今日は手塩皿を知っただけで満足である。

    凍返る今日の煮物の塩かげん