私は大甘である。2008/02/01 00:40

 明日は京都に行く予定。土曜日の午前から奈良でいつもの科研の研究会で、明日は京都泊である。土曜は一日研究会で、その日は京都に戻り、一泊して日曜に東京に戻る。

 発表はないので気が楽だが、体調はあまりいいほうではない。寒さと心労かな。身体の疲労というよりここんとこ精神的に疲れることが多い。精神的に自分ではタフだと思っていて何ともないのだが、体調は正直である。

 これから成績をつけなきゃいけない仕事がまっていて思いやられる。毎年同じ愚痴をこぼすのだが、あまり人の成績はつけたくない。

 今日、NHKのクローズアップ現代で、ヨーロッパの教育の現状を紹介していたが、イギリスの小学校がすごかった。成績がよい子にはケーキとかのご馳走を与え、悪い子には与えない、成績の差で食べものの差をつけるという。ここまでなりふり構わず競争原理を導入するとは、いやはやである。

 それにしても中国の競争原理だって馬鹿には出来ない。冷凍餃子の農薬中毒でも、背景には、厳しい競争社会がある。中国の生活格差は日本の比ではないから、生きていく為なら、あるいは金を稼ぐためなら、法違反も辞さない。

 かといって中国製品を排除するのは無理である。中国の食品なしに日本はやっていけない。日本の食料自給率は40%だという。金持ちは国産の安全な食を食べられるが、食費を切り詰めている人達は中国の食を食べなきゃ生活はできないのが現状である。排除でなくて、お互い知恵を出して安全な食を作るようにするしかないだろう。

 この厳しい社会に学生を送り出す身としては、二つの立場に身を引き裂かれる。どうせ厳しい社会にでるのだから、楽しい学生生活を送らせてやりたいというのと、競争社会を乗り切るためにもここで厳しい姿勢を取った方がいいという立場である。

 私は前者である。それは、教員が考えるより学生は社会の厳しさがわかっているからで、いや、たぶん教員よりもわかっていると思うからである。たぶん、ほとんどの教員は競争とは無縁なぬるま湯にいる。そんな教員から社会の厳しさなんか教えてもらいたくないだろう。

 だから時々私は大甘になるが、放任というわけではない。学生の自主性を引き出すような事が出来ればいいのだと思っている。目的を与えてはらはらしながら見守っていると、けっこう予想以上の成果を上げるものである。そういうときが教師として一番嬉しいときである。

       立春や学生たちの軽さかな

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