夕顔2008/01/28 00:34


 午前中に山小屋を出発。午後早くに川越に戻る。途中下仁田の岡田茶屋に寄って、名物の「山猿うどん」を食べる。ここによるのは久しぶりである。下仁田だけにこんにゃくが名物であるが、不思議な茶屋で時々変なものが置いてある。

 太った猫の彫り物の写真が絵はがきになっていてとても可愛かった。その写真を使ったカレンダーが壁に貼ってあって、とても面白いので奥さんが店の人に聞いたらカレンダーは別に売り物ではないという。でも、差し上げますといって一部いただいた。聞いてみるものである。その彫り物は何でもこの茶屋の息子さんが彫ったものであるらしい。

 家に帰って、卒業論文を数本読み始める。査読であるが、疲れてきたのか二本読んだところでダウン。源氏物語の、夕顔の遊女性についての論が面白かった。その存在の非日常性に源氏は惹かれていったとする論だが、読みながら、夕顔の遊女的とも言える非日常性はどうして生まれたのか、それが気になった。そんなに変わった生い立ちでもなさそうだし、それが女性性の伝統としてあるということなのか、よくわからないが、そういうわからなさがわからないまま投げ出されるのも源氏物語の魅力なのだろう。

 夕顔の異界性は登場する女性達の中では突然変異の如くである。つまり、いかにも異界にさまよいこんで出会った山姥というような存在ではなく、普通の女性なのであるが、異界的と言われれば異界的な女性である。ことさら嫉妬深いわけでもない。遊女というタイプでもない。それなのに何故夕顔が、と疑問は確かに出てくる。

 遊女性や異界性というのは、生い立ちや性格や内面によって説明できるものではないということだろう。それこそ、憑依の問題なのかも知れない。

 フィンランドの薪置きの写真があったので載せておきます。なかなかシンプルで、これなら簡単に作れそうです。私は、折りたたみの椅子で作りましたが。

    卒論を読みくたびれて日脚伸ぶ