駅伝を見る2008/01/03 23:31

 2日・3日と天気も良く、穏やかな正月である。2日はこの別荘地の新年会。この別荘地は、定住者が多く、その人たちで自治会を作っている。また別荘所有者によるオーナー会というのがあって、まとまりのある別荘地である。普通、こういう別荘地では、コミュニティは作らないものなのだが(そういうのを嫌って別荘を建てる人が多いから)、ここはその意味では少し変わった別荘地である。

 定住者にもいろんな人がいるが、脱サラ組の人もいるし退職をして移り住んだ人もいる。共通しているのは、それなりにみんな楽しんでいるが、優雅な暮らしというものではないということである。蓼科の高級別荘地とそこが違うところで、割合生活感を漂わせた人たちの多い別荘地で(私たちもそうだが)そこが気に入っている。

 だから、互助組織のような自治会やオーナー会が発足できたのである。オーナー会の発足の時は地元の新聞にも記事が出たそうである。私もけっこう古い住人なのでオーナー会には参加している。そのオーナー会がいろんなイヴェントをやっているのだが、その一つが新年会なのである。毎年手伝いもかねて出席している。

 2日の午後にYさん一家が訪ねてくる。娘さんは去年結婚したばかりだが、その婿さんも一緒である。婿さんは私と同郷の宇都宮の人であった。その一家の主人も娘夫婦も早稲田出身で、箱根駅伝の往路で早稲田が優勝したことを喜んでいた。主人は、三浦しをんの駅伝小説「風邪が強く吹いている」を読んだそうである。そううえば、三浦しをんも確か早稲田だった。

 私は明治なので、別に早大が優勝したところで何の喜びもないが、考えてみると、私の周りには早稲田出身が多い。一つの理由が、かつて私が某予備校の論文科で教えていたとき、私大論文コースを受け持っていたので、教え子がかなり早稲田に入った。それでいまだに付き合いのある教え子達に早稲田出身が多いのだ。

 今日、箱根駅伝の復路で、9区で大東文化大が、10区で東海大が棄権した。とくに東海大は、区間新を出したスーパースターがいたチームだ。一人の不調が全部をだめにしてしまう駅伝という競技は残酷であると感じた。個人の失敗がこんなにも全体の結果に影響を与える競技は他にないだろう。

 個人競技のマラソンではなく、この箱根駅伝に日本人が熱中するのも分かる気がする。これはまさに共同体同士の競争なのだ。連帯責任を鍛える競技でもある。個人の力が目立つが必ずしもそのことが最後の勝利に結びつかない、しかも、どのチームにも必ず弱い者がいて、故障者がいるかも知れないというリスクを抱えている。そういう物語に満ちた競技なのだ。その意味では、駅伝は、共同体同士の競争文化を伝統的に持つ日本でこそ発達した競技なのだと思う。それにしても、10区で走れなくなった東海大の選手のその後が思いやられる。

 雪を抱いた八ヶ岳がとても美しい。チビも八ヶ岳を背にしてのんきに寝ている。

            消ゆる夢積もる夢あり年あらた

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