DVDを買う2007/08/05 01:04

 さすがに暑くなってきた。こういう日に学校に行くのは辛い。今日はオープンキャンパスで一日営業である。見学に来た高校生の相談に乗る。学校全体での来校者は去年の1.4倍だそうだ。とりあえず、まだ勢いはあるようだ。だが、短大の方はそれほどではない。先日の朝日新聞に全国の短大の60%が定員割れという記事が出ていた。まだうちは定員以上の学生がいるが、いつまでもつかである。

 それても今日は忙しかった。今日の具合だと私の学科はそんなに落ち込んでないのかな、という気になるが、実際は蓋を開けてみないとわからない。短大は、推薦入試で7割ほどをとる。推薦入試に来てくれるかどうかはこのようなオープンキャンパスでの相談者の人数によってだいたいの推測はつく。

 そんなに悪くはないだろうというのが今年の予測だ。今日相談に来た高校生が、日本語・日本文学コースのカリキュラムを見て、この学校の四大の学部のカリキュラムより良いのでこっちにはいることにした、と言ってくれた。カリキュラムを作った私としては嬉しい言葉である。最近の高校生は、何となくといった程度では志望校を選ばない。けっこう細かいところを見ているし、自分の将来をじっくり見据えて進学先を選ぶ。そういう中で、われわれの学科は今のところ何とか健闘しているが、短大より四大へという流れにどこまで抗せるか、である。

 帰りにDVDを買った。だいたいはレンタルで見るが、買っても良いなと思うのは買う。ドイツ映画で『善き人のためのソナタ』を買う。5千円した。DVDは今安売りですぐ価格が下落するが、こういうヨーロッパ系の作品は安くならないので仕方がないというところだ。ついでに一本500円の名画『チップス先生さようなら』と『おおいなる幻影』も買う。三本で6千円だ。

 『チップス先生さようなら』はイギリスの作家ジェームス・ヒルトンの小説が原作だが、このジェームス・ヒルトンの書いた「失われた地平線」の中に、チベットあたりの理想郷として「シャングリラ」が出てくる。空想の地だが、実は中国では、この地こそがシャングリラだと、あちこちで元祖シャングリラと名付けるのが流行っている。観光客を呼ぶためだ。雲南省のチベットに近い中甸という町は正式にシャングリラと改名してしまった。これには驚いた。

 だから『チップス先生さようなら』を買ったというわけではないが、こういう教師ものは基本的に嫌いではない。この映画は昔見て感動した。こういう先生になるのがわたしの理想でもあるが、まず無理である。

     蜩のしずまりて聞く囃子かな