エントリーシート2007/06/05 01:10

 少々疲れ気味。さすがに通勤途中の読書が出来なくなった。今週もいろいろあって忙しそうだ。今日の基礎ゼミナールでは、就職進路課で就職ガイダンスの説明のあと、先週書いてもらったエントリーシートを返した。

 それぞれにコメントをつけて返したが、さすがに一人一人見ていくのは大変だった。文章表現の授業の先生方は大変だろうなあと思う。予備校で小論文を教えていたときは、添削は専門の人がやっていたので、そんなに辛くはなかったが、いろいろ雑務があると授業の準備は大変になる。

 短大生は入学してから一年も経たないうちから就職活動に入る。こっちも大変である。エントリーシートは、就職への第一関門。これをクリアしないとエントリーしてくれない。エントリーシートも文章である。文章というのは、まとめ(抽象性)と具体性によって成り立つ。まずはその説明から。

 たくさん書いた人と短く書いた人がいる。その長さの違いは、まとめだけ書いた人と、具体的な例を示しながら書いた人との違いである。つまり、文章の長さというのは、具体性の長さなのである。まとめ、つまり要点は誰が書いても同じであって、短い。どっちが有利か。むろん、字数の制限がなければ、ある程度長く書いた方が有利だ。何故なら、具体性の側に、書き手の個性や切実な気持ちが表れるからだ。要点だけなら、要領のよさや頭は悪くないという程度のアピールでしかない。

 企業が見ようとしてるのは、動機の強さであり、仕事への理解や意欲であって、それは具体性の側によって伝えられるものなのである。だから、個人的な体験などの例をあげて何故その職業を選んだのかとうまく関連づけられれば、その文章は説得力がでる。とすれば文章は長くなる。文章が長くなるのはそれなりの必然があるのである。

 ただ、自分の思いだけを書いただけでもいけない。自分の動機の部分の具体性を職業や企業を選んだ理由まで上手く展開できなければ、説得力が出ない。一番難しいのはここである。ここは論理的な力が必要だ。

 エントリーシートを馬鹿にしてはいけない。文章の基本がほとんど入っている。文章力の差は、こういう簡単な文章にも出てしまうのだ。私は、一応文章のプロだと放言しているので、ここは、自信を持って念を押したのである。

      ゆるやかに更衣せし日々過ぎる

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