アサーションスキル2006/11/14 00:29

 午前中に学校へ。今日は雑務だけ。大した雑務ではないのだが、やはり私がいないと片付かないこともある。つまり組織というのは、組織を維持するためだけの存在が必要で、たとえその人がはんこを押すだけであっても必要になる。むろん、競争原理の浸透した昨今そんなに甘くはないのだが、それでも、そういう人はいる。私がそうだというわけではないが。

 午後は早めに切り上げ、夕方、車のタイヤをノーマルからスタッドレスに付け替えた。近くのオートバックスに行ったのだが、混雑していて一時間ほどかかる。去年油断して12月になってもノーマルにしていたら、12月2日頃に山小屋では大雪になり、奥さんが閉じこめられ帰れなくなった。暖冬傾向だが、太平洋側に属す八ヶ岳あたりは、太平洋側の春のどか雪が12月頃から降るようになり、かえって大雪になり始めたのである。これも我が家の冬支度である。

 今日、心理学関係の本を一冊読む。といっても入門書の類なので、あっという間に読んでしまった。「アサーションスキル」とか「アサーショントレーニング」といわれるもので、来年から始まる心理学コースのために読んでいる。なんで私が読むかというと、実は、心理学の基礎的なトレーニングゼミを私が受け持つからだ。むろん私でも受け持てる、マニュアル通りに進める授業なのだが、それでも知識は必要で、ここのところ入門書を何冊か読んでいる。「アサーション」とは自己表現のことで、アメリカの行動療法の治療マニュアルが、現代人のコミュニケーションスキルとして一般化されたものらしい。要するに、自分の意見を相手にどう伝えるのか、というスキルを心理的な分析を加えながら解説しマニュアル化したもので、自分を偽るなとか相手の心を推し量れとか実に当たり前のことを真面目にマニュアル化するものだから、時々読んでいてばからしくなる。これではいけないのだが。

 今日12チャンネルの村上龍の番組でブランドもののバッグを売り出して成功したカリスマ的若き社長が、部下に信頼される秘訣は何かと質問され、嘘をつかないことだと言っていた。つまり、言っていることと心とが違うという印象を相手に持たせたらもうだめだということで、実にシンプルだがこれが大切だと語っていた。当たり前だが案外に難しい。この人は立派な「アサーションスキル」を持っているというわけだ。ちなみに、私も言っていることと心とはそんなに違わないつもりだが、信頼されているとは思わない。スキルではどうしようもないことが世の中にいくらでもある。

    冬用のタイヤを履いて空を見る

    冬暖か人の心も推し量れず