しんどい一週間が終わる2014/12/21 22:33

 13日「病と祓」をテーマとした学会のシンポジウムが無事終了。モソ人の宗教者による病祓い儀礼の実演もトラブルなく行われ、参加者の実際の病払い儀礼の迫力に魅了されていたようだ。三年以上にわたって準備してきた努力が、何とか実を結んだわけで、ほっとしたところだ。チベット仏教系の宗教者(シャーマン)であり、身分としては一介の農民を日本に呼ぶことは困難だった。まず、中国当局へのパスポート申請が大変だった。シンポジウムへの参加なのだが、著名な学会ではないので、学会の存在を証明するところから始めなければならなかった。やっとパスボートが降りると、今度は、日本領事館へのビザの申請がまた面倒であった。これも入国目的や学会につい問われ、学会代表の在職証明書まで要求された。いやはやである。

 とにかく儀礼もシンポジウムも無事に終わってよかったのだが、問題は私が風邪を引いてしまったことだ。シンポジウム当日から体調が悪化した。私が病祓い儀礼をやってもらえばよかったのだ。14日の日曜は、研究会だったが欠席、ただ夕方の中国のT先生の歓迎会を兼ねた誕生会には出席。次の日は授業と会議。が熱が出て休んだ。私はよく風邪を引くが、自慢ではないが、風邪で授業を休講にしたことは今まで一度もない。が、こんどばかりはさすがに休講せざるを得なかった。熱が38度まであがれば仕方が無い。ああ補講をしなければならない。それにしても二週間前にインフルエンザの注射を打ったのだが、インフルエンザではないということか。

 火曜は何とか回復。この日は午前中から会議。午後は学長候補を選ぶ会議がある。休むわけにはいかない。熱は下がったので出校。木曜は学科の日本文学コースのクリスマスパーティ。毎年やっているイベントである。この日のために、私は、安くてお洒落なプレゼントをいくつか用意しなければならなかった。まあこういうイベント嫌いではない。今年はそれほど集まらなかったが、そこそこ楽しい会となった。

 選挙の結果は予想通りでつまらない。テレビを見る気もしない。選挙を棄権したくなる気持ちはよくわかる。アメリカでの、低所得者層に富の配分を渋る共和党に低所得者層が民主党でなく共和党に票を入れるのと同じ現象が日本にも起こっているということだ。問題はたぶんこういうことだ。今世界を覆っている問題は、仕組みの問題なのだ。仕組みとは、システムのことであり、言わば堅固な無意識とでも言うべきものだ。この仕組みの構造が社会の機能不全を起こしかけているのだが、その仕組みを修正する機能そのものがこの仕組みにないということなのだ。どうやったらこの仕組みは変えられるのか。いきなり大きな仕組みを変えようという革命路線が夢なら、とりあえずは身の回りの小さな仕組みから変える方途をみんなでさがそうということしかないか。

 週末は、まだ体調回復というわけではないが、友人の家に餅つきに顔をだし、マンションの忘年会とやらでいそがしかった。この一週間実にしんどかった。