古本市のための読書2012/06/24 23:42

 今週の土日は久しぶりに家で過ごす。といっても、調べ物や調査記録のデータ保存でけつこう忙しかった。デジタルのミニテープはパソコンに取り込んで外付けハードディスクへ。8㎜ビデオテープは、DVDにコピーする。ブルーレイディスクに入れたいところだが、DVDがけっこう余っているので、これを使い切るまでやる。それから、アナログの音声テープがけっこうあるのだが、これを新しい録音機に再録音しそのデータをハードディスクに記録する、という作業である。またすでにVHSのビデオテープになっている記録もあるが、これは、DVDに焼き付ける。ところが、ビデオデッキが故障してしまい、買おうかどうか迷っていた。中古でも買おうと近くのリサイクルショップに行ったら、1300円で出ていた。思わず買い求めた。一応動くという保証までついている。修理代より安い。

 来週の土日は研究会がたてつづけにあるので、休みなしである。こういう作業が出来るのは今週くらいだろう。再来週は学会での発表がある。今折口信夫の問答論について全集をいろいろ引っ張り出して関係箇所を読んでいるのだが、なんとなくまとまりそうな感じはあるが、どうなることやらである。

 私の学科では、就活で、今年はけっこう大手に内定が決まったという報告があって安堵しているのだが、それでもまだなかなか決まらない学生もいる。その対策で頭が痛い。編入か就職かで悩んでいる学生もいて、早く決断しないとどちらもうまくいかなくなるぞと言っているのだが。

 学科長としては、授業に使う労力より、学生の満足度を上げたり、内定率を増やしたり、悩んでいる学生をケアしたりと、とにかくこっちへの労力の方が圧倒的に多い。なんせ学生数が減ればすぐに潰れる。それが短大の置かれた厳しい状況であって、これをどう乗り切るのか、試行錯誤の日々が続いている。

 わが学科には会議室があるのだが、ほとんど使わない。狭いので教授会は別の会議室で行うからだ。ほとんど教員の資料とか学科のがらくたの物置になっていた。そこで、中を整理し、わが学科の学生のコミュニティルームに改装した。ようするに、お昼を食べたり友達同士で雑談できる場所として開放したということである。都心の短大なので、キャンパスがない。食堂もいつも満員である。それで、学科の学生が集える場所を少しでも増やそうと教員の会議室を開放したというわけである。これは私の独断で、学科長の権限で行った。

 わが学科には読書室があり、予算を取って学生が読みたい本を購入して自由に読めるようにしてある。学生の読書室委員がいて、本を選んだり、文化祭では古本市をしているのだが、今年もやる予定。ただ、古本市の本を集めるのがいつも大変。そこで、私は、古本市での売り上げをのばすために、なるべくベストセラーの本を買って、それを読んで、読んだ本を古本市にだそうと思っている。それで、本屋に行ってはベストセラー本を買っているのだが、なかなか読む暇がない。それでも今週高野和明の『ジェノサイド』を読んだ。これは面白かった。途中でやめられなくなり夜中の3時過ぎまで読んでいた。さすがに、次の日疲れた。それから、SFでJPホーガンの『星を継ぐもの』。息の長いロングベストセラーである。

 こういう読書は、ほとんど消費としての読書であり快楽としての読書である。何にも残らないが、活字が創り上げる虚構の世界に浸れる快感だけは強く身体に刻まれた。こういう快感を久しく味わっていない。こういう快感あってこその文学ではないか。古本市にたくさんの本を出品するためにも、この快感ひたすら追い求め続けなくては。

                      生や死や愛も戦も梅雨に読む

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