恒例の花見2011/04/06 00:36

 マンションの庭の桜は満開になってきた。野川沿いの桜はまだ二分咲きといったところ。日曜日は寒かった。でも、恒例ということでマンションの住人が集まり花見。厚着して防寒対策をしながらのささやかな花見である。

 今度引っ越してくる人予定の住人が花見に参加した。まだ若い人である。みんなよかったと言っている。これでこのマンションの住人の平均年齢が下がるからである。私どもが入ったときは上げはしなかったが下げることもなかった。団塊の世代が多いのである。

 聞けば建築事務所で働いているという。温泉地の旅館を専門に設計していて、温泉旅館には詳しいのだという。どうも普通のサラリーマンではないということらしい。このマンションには、朝九時前に毎日出勤するサラリーマンは誰もいないが、新人もサラリーマンではなかったというわけだ。

 福島第一原発の放射能汚染水が海に流れ出しているのをテレビで見るたびに、日本には世界最先端の土木技術があるのに、あんな小さな穴の水漏れを塞ぐことが何故出来ないのだ、といらだってしまう。恐らく世界中の人がそう思っているだろう。少なくとも、あの穴に詰め物をすればいいのではないかとか、鉄板でふたをしろとか素人は思うのだが、放射能が高くて出来ないのだろうか。

 フランスの思想家ジャック・アタリが、日本の政府は原発事故の情報を開示していない。世界は日本の主権を侵害してもいいから積極的にこの事故に介入すべきだと言っているらしい。つまり、ある国が当事者能力を欠いていることが原因で世界が脅威を感じる場合は、国連が国家に積極的に介入していいという論理、例えばリビアに多国籍軍が介入したように介入すべきだという論理である。ニュースステーションでこのことを紹介していたが、これくらい世界は日本にいらだっている、ということらしい。

 政府も東電も総力をあげて、と何度も繰り返し言っているが、あの穴一つふせげないのをみると、総力というのもたいしたことがない、とつい思ってしまうのは私だけだろうか。現場を知らないでものを言っているので何とでも言えるのだけれど、東電の人が汚染水を海に流す決断を語ったときに申し訳無いと涙を流していたが、たぶん自分たちの無力感に打ちひしがれているのだろうということだけはわかった。

 たぶん、日本の政府も東電も、情報を隠すなどという余裕もなく、なすすべがなくていいアイデアも浮かばず、無力感に打ちひしがれている、というのが実情ではないか。こうなったら、日本のあらゆる分野の技術者に助けを求め、いや世界中の技術者に何かいい知恵はないか、とインターネットで呼びかけるくらいのことをした方がいいのではないか。こういうときのインターネットの力は馬鹿には出来ない。忽ちいろんな情報が集まると思うのだが。

 最善を尽くしているのだろうということはわかる。が、最善の結果になっていないことも事実だ。長引けば長引くほど現場で命がけで働いている人たちも大変になる。なんとかして欲しい、と日本中、いや世界中の人が思っている。なんとかならんものか。  

人間がどうであろうと花は咲く