Bさんのこと2009/05/11 23:54

 日曜は研究会。渋谷駅前の貸し会議室。けっこう安い値段で借りられる。某学会では歌舞伎町の同系列の貸し会議室を使っていたが、あそこは周囲の環境が悪い。ここは渋谷駅前で便利なところである。ただ、南口なので分かりづらいのが難点。高速道路の真下にある。ある人は20分も探し歩いたと言っていた。

 私は渋谷がとても近くなった。家から3、40分で出られる。こういう時は引っ越してよかったと思う。川越の家は、知りあいの大学院生に貸すことになった。リフォームを知りあいの外国人Bさんに頼んであったが、研究会の帰り、その大学院生と家を見に行く。

 東上線で池袋から川越に急行で行った。池袋から30分だが、その時間の長かったこと。最近、一つの路線に15分以上乗らないので、30分乗るとこんなに長かったのかと、今楽をしているなあと改めて感じた次第だ。一年前は、30分どころじゃなく50分は乗っていたのだ。一度楽をしてしまうと、もう郊外へは行けないと思った。それこそ仕事をリタイヤしない限り無理だろう。

 実に見違えるようにきれいになっていた。新築とは言えないが、これなら人に貸せる。Bさんは、20日間くらいこの家に通ってこつこつと壁紙の張り替えやハウスクリーニングなどをやっていた。その間近所の人から好かれて人気者になっていた。イラン人だが、挨拶はきちんとするし、とても人柄がよく、いつもにこにこしている。こういう人、日本には少なくなったよなあと思う。

 奥さんの両親の知りあいで、何でも虐待を受けたり捨てられた犬の里親の会で知り会ったらしい。Bさんは骨と皮だけになったハスキー犬を引き取り一生懸命育ててかわいがっていた。そういう縁で、家のちょっとした修理を頼むようになったという。うちも、だいぶ前に洗面台を作り替えたときにやってもらい、その丁寧な仕事ぶりと値段の安さに感心して、今度何かあったら頼もうと思っていた。

 今度の経済不況でかなり困窮しているという噂を聞き、家を貸すことになったということもあってリフォームを頼んだ。ただ、Bさんは実費の材料費と安い日当しか受け取らない。安いのはいいことだが、余り安いとBさんの生活費にならないだろうと、こちらも少々複雑な思いではあった。ただ、だいぶ家は汚れていたらしく、実にあちこち丁寧にやってくれたので、それなりに費用もかかった。変な話だが、Bさんのために費用がかかってよかったと思ったのである。

 学会が終わりほっとしたところだが、明日からは、金曜まで午後5時から連日会議。忙しい日がまだまだ続く。
 
                       躑躅咲くいろんな人の縁あつめ