学会の大会を終え…2008/05/11 22:57

 10日はアジア民族文化学会の大会。一応私も発表者で、一応というのは、メインではないからで、メインはブータンの歌の掛け合であるツォンマについて発表したI氏である。I氏は研究者ではないが、実は、研究者の間では昔からよく知られていた人である。

 K氏は15年前からI氏と何とか連絡をとろうと努力を重ね、やっと連絡を取ることが出来た。それで、今回発表していただくことになった。発表後の質問で、会場からやはり中国の研究者Tさんが、20年前から会いたかったがどうしても連絡が取れず、今日お話が聞けてとても嬉しいと語った。ブータンについての文章をあちこちで書いていたらしいのだが、研究者ではないので、何処へ連絡してもいいかわからず、論文を掲載した大学の研究所に手紙を送ってもだめだったということのようだ。こういう人もいるのだなあ、と感心した。

 話がとにかく面白い。一応研究発表なのだが、下ネタの話が次から次へと出てくる。彼によると、彼が学んだブータン人がすけべだったので、たとえがどうしても下ネタになってしまうということらしい。会場は爆笑の連続であった。

 アジア民族文化学会の学会誌がようやく完成した。納入された学会誌を見た驚いた。分厚いのである。最初の論文は100頁ある。100頁と言うことは、原稿用紙にして400枚である。嘘だろう!と思ったが、ほんとにそうである。枚数は多くでもいいよ、とはいったのだが、ここまでとは。脱帽である。でも、こういうのを載せるのはわが学会誌だけである。台湾の首狩りの論文なのだが、たぶんこの論が決定版となるであろう。

 それにしても、請求書がいくらになるか心配である。実は、会費未納の会員が多くて、残高があまりない。確実に雑誌の印刷代は去年より高くなるだろう。ひょっとしたら払えないかもしれない。それが心配なのだが、まあ、なんとかなるさである。わが学会は最初から金がなかった。だからずっと自転車操業でやってきた。レベルの高い学会誌を出しているという自負があるので、きっと神様が助けてくれると信じている。

 今日は、朝から引っ越しの準備。さすがに疲れてきた。人からもらった抜き刷りや、研究会のレジュメを整理。とにかく20年前のものからとってある。量が膨大なのだ。さすがにもう読まないだろう、あるいは研究しないだろうとおもうものは処分した。

 吉川弘文館から、単行本、三浦佑之編『古事記を読む』が送られてくる。私は「ヤマトタケル」について書いている。ヤマトタケル物語の歴史性や文学性について論じたものだが、われながらまあまあよく書けたのではないかと思っている。

 ほとんど同時に、高岡市万葉歴史館編笠間書房刊『恋の万葉集』が送られてくる。ここでは、私は「歌垣をめぐって」という論を執筆している。思えば去年は死ぬほど忙しかった。これらの原稿を書いていたからだ。今年はそういう仕事がないだけ楽だが、引っ越しという作業が入った。さらに引っ越しまでに歌集評を一本書かなくてはならない。とても書ける状況ではないのだが、引っ越ししたらそれこそ落ち着くまで何も出来なくなる。無理にでも書かなきゃならんだろうなあ。

         鬼のように荷担ぎたる薄暑かな

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