地図2008/03/21 01:40

 今日は朝から雨で、私は午前中は本の整理である。ちっとも整理できない。こんなことでいいのだろうかと思いながら、中国行きの準備もまだ手をつけていない。24日は朝が早い便なので、成田近くのホテルに予約をしたら、いつもより高いので驚いた。何で高いのと聞くと、春休み料金だという。そうか、今頃学生は卒業旅行で海外に行くんだなと納得。まあ、私の場合、科研の費用で行く調査なので、これくらいの出費は仕方ない。

 午後、友人のKさん宅に奥さんと訪ねる。今度引っ越しをするという報告がてら、今の川越の家をどうするか相談。彼の家のパソコンで、グーグルの航空写真の地図というのを初めて試してみたが、これはすごかった。今度購入するマンションがはっきりと写っている。人工衛星からの映像だが、こんなにはっきりと写るとは思わなかった。ついでに、川越の家も、実家の家も検索してみるとちゃんと空からの映像として家が見える。とにかく番地を打ちこむとてでくるのだから驚いた。

 ついでに、中国も見てみたが、ある程度の大きさまで行くが、詳細な映像は情報が入手出来ないとメッセージが出てしまう。やはり、中国は簡単には見せてくれないということか。この技術は凄いと思う。世界中から、日本中の家という家が空からの映像として見えるのだから、ある意味では、日本は世界に対して開かれているわけである。細かな映像を見せない中国はその逆である。

 宇宙からの映像を地上の人間が意識することは、世界認識の変化をもたらすと書いたのは吉本隆明であった(ハイイメージ論)。そんな大げさなことでなくても、平面的な記号化された地図ではなくて、自分の家のパソコンで、世界中の何処でも映像としての地図を見ることが出来るというのは、不思議な感覚である。というのは、映像には近所の家の車とか、隣の庭の様子とか、町が賑わっているかどうかまで映っているからで、そういう映像は地図という概念を越えてしまう。社会そのものが写しだされているからである。

 国家や企業は軍事や商売のために必要な情報だろうが、われわれにとってそんな風に自分の住む世界を見てしまうことに、いったいどんな意味があるというのだろう。よくわからない。言えることはとにかく便利だということだ。私は、今度引っ越すマンションの近所に、客が車で来たときに駐められるような道路や空き地があるかどうか探したが、残念ながらなかった。コインパーキングもない。来客用の駐車場のない家は、客に車で来るなというしかない、空間に余裕も遊びもない窮屈な地域であることがよくわかった。

 夕方、Kさんの近くの住宅街にある河豚料理屋で河豚雑炊を食べる。なかなかおいしかった。

  ふて寝する縁無き御霊彼岸かな

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