マイナスをプラスに2008/03/14 22:41

 風邪がなかなか抜けない。この歳になるとやはり若いときよりは治りが遅い。が、咳き込んで眠れなくなるほどの重症でないのが救いだ。

 風邪を引いたといってもこの程度の風邪では休んでいられないのが勤め人の宿命である。ここんとこ休みなしで毎日のように出校。今日は朝から会議の連続であった。

 B日程の入試は、去年より志願者が増えた。だが、推薦での入学予定者も増えているので、正直困っている。というのも、定員の1.3倍しかとれないから、それを上回らない数を見込んで合格者数を出すと、どうしても、倍率が高くなるからである。A日程の一般入試の倍率は2.6倍であったが、ところがB日程はそれよりも高くなってしまった。予想以上に志願者が増えたためである。

 他の短大の話を聞くと、けさこう頑張ってるところでも、3月入試はほとんど志願者がないという。私の所のように、3月入試で倍率がこんなに高くなるのは、まず他にはないということである。なんでこんなに人気が出たのだろうか。果たして、たまたまであって、来年はがたっと志願者が減るのか。減らないという自信がまだない。だから、不安と言えば不安である。

 この時期の志願者は、四大との併願がほとんどである。つまり、四大を落ちたらわが短大文科に来るという選択をした受験生が多いということであるが、その滑り止めの私の所もなかなか難しいということになってしまったのだ。わが学科のキャッチフレーズは「ハードな短大宣言」である。私の考えたコピーだ。あえて、ハードルは高いよという宣言をした。たぶん、これが受けているのだと思う。

 さらに、マニフェストも作って、2年間何を目標として勉強するのかそれを明らかにしている。学習目的の明確化、それは短大の独自性を印象づける大事な方法だ。2年という修業年限は、具体的な目標を立てやすく、実験的な教育が可能なのである。4大の4年という年限は、考え方を変えると、教育目標がどうしても抽象的で曖昧になり、独自な教育をする上ではかえって足かせになる場合もある。2年には2年の良さがあるということである。

 短大不要論というのがいまだに声高に唱えられている。実際に、4大に改組した短大は数が多い。だが、ほとんどがうまくいっていない。むろん、地域的な条件もあって、その原因を単純に語るのことは出来ないが、いずれにしても、不利な条件をプラスの条件の側に転化する発想がないと、今の時代なかなか生き残れない。

 私も4大で長い間非常勤をしていたから、4大の学生を教えてみたいという思いはある。が、短大生にも短大生の良さがある。難しい話への反応は鈍くても、好奇心の表し方は短大性の方が優れている。私の経験では目の輝きは今教えている短大の学生の方が上である。

 2年という条件は決してマイナスではない。逆に2年だからこそ出来ることがある。そのように考えていろいろな試みをやってきたが、そういう成果が今現れているのだと、思いたいものである。

            負(マイナス)を正(プラス)にしてよ流し儺

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