情けねえ2008/02/06 01:04

 先週奈良へ行くときに、東京駅の本屋で何か一冊本を読もうと思って物色していたら、テレビでやっていた『鹿男あをによし』があったので買ってみた。行きの新幹線の中でほぼ読了。

 つまらないといいうわけではないが、面白いと言うほどではない。他愛ないと言ってしまえばそれまでだが、適当に脱力気味に書いているところが受けているのかも知れない。この手のSFっぽい荒唐無稽物語は、里見八犬伝以来の伝統とも言えるが、今までのよりは適度に力が抜けているし、たいしたCGや特撮を使わないですむということもあるのか、テレビドラマになりやすいのだろう。

 他の小説を買えば良かったと後悔したが、読書室に入れるまでもないか、と判断がついたのはまあ収穫であった。

 採点はほぼ済んだが、複数の教員でやっている教養講座の採点がまだである。これは担当の6名の教員の成績評価を集めて、全体の評価をださなくてはならないので時間がかかる。 

 北野武の映画『監督ばんざい』を借りてきて観る。これもまた脱力系のギャグ映画だ。「情けねえ~」というのは北野武のギャグの一つのスタンスだが、その「情けねえ~」路線で、映画監督である自分を茶化した映画だ。北野武は、自分は大した監督じゃないのに、人に大した監督と見られていることのフレッシャーが、けっこうあるのだなあということがよくわかる。そういう視線を何とかかわして、自由になりたいという欲求のようなものがこの映画にはよく現れている。「情けねえ~」ギャグのオンパレードで、あんまり笑えないし、ちょっと飽きるところもあるが、こういうのを撮らないと次にいけないのだなあと、妙に納得した。

 7日は入学試験で私は朝が早い。ということで、明日はホテルに泊まる予定。週末まで、入学試験の雑務でかなり忙しくなる。

     「情けねえ」ギャグが笑えず春浅し

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