山葡萄狩り2007/10/16 23:56

 月曜から山小屋に来ているが、千客万来で結構忙しい。月曜の午前中に向かいの山小屋に居るTさんが庭を見せてくれと訪ねてきた。この人高校の先生だが、退職して今は山小屋生活を楽しんでいる。仏文が専門で、アフリカに何度も行っていて、アフリカについての詩集を出している詩人でもある。

 面白い人で、植物のことが詳しく、うちの奥さんと話があう。ちなみに、私は、昔植木関係の仕事をしていたので庭木にはある程度詳しいが、山の植物はそれほどでもない。奥さんは山の草木にはかなり詳しい。それで二人の話には入っていけない。彼は、私が情報関係の教師だと思っていたらしく、専門が万葉集だと知ったら、がぜん、同じ文学ですね、と興味を示してきた。いろいろアフリカのこととか中国のこととかで話が弾み、昼頃帰っていった。

 夕方には、私の関係の客が五人ほど来るので、その為の買い出しに出かける。帰ってきたら、早速、やってきた。山葡萄刈りや茸取り、魚釣りを楽しむツアーで、私が近くに来るなら泊まっていったらと誘ったのである。忙しいのがうちの奥さんである。土、日曜にはやはり奥さんの方の客が三人来ていて一晩泊まって帰っていったということだ。

 時々うちはこのように民宿状態になる。まあこれも楽しみの一つではあるのだが。私の方のご一行は山葡萄狩りをしてワインを作りたいというので、別荘地の山葡萄のなっている場所に案内した。が、簡単に獲れるような処にはない。なっていてもすでに誰かに獲られている。それでも、斜面の足場の悪いところに実っていた山葡萄をかなり収穫。それから温泉へ行って、帰ってきて夕食。きのこ鍋である。むろん、茸は買って来たものだが、一部は近所の人にいただいたジゴボウと呼ばれる取れたての茸。たぶん大丈夫だろう、ということで鍋にいれた。

 一晩愉快に過ごして次の日の朝また近くで山葡萄狩り。脚立をたて、その上に乗り高枝切りをのばして、そうとう高いところの山葡萄を収穫。これだけ獲れればワインはかなり作れるだろう。彼らを見送って、さて論文の執筆に取りかかるが、疲れ果てて進まない。が、何とか10枚ほど書いた。歌垣の論だが、今まで私が論じてきたものを下敷きにしながら、その上に新しい知見を加えるというものなので、新しい知見に行くまではすいすいと書ける。明後日までに30枚は書けてしまうだろう。問題はその先である。構想は練っているので、何とか今週中には終わらしてしまいたい。

 紅葉はまだ早い。せっかく人が来てくれたのに残念である。

        秋の夜余命無き蛾が二匹ほど