やはり中国から目が離せない2007/04/12 00:43

 先日、BSで中国パキスタン2万キロの旅という番組をやっていた。上海の沿海部から出発し、東南アジアを経由してインド・パキスタンへほぼ陸路でたどるという旅番組だが、コンセプトは、中国で作られた商品がアジアに運ばれるその物流ルートに沿って動くというものだ。

 このルートはいくつかあるのだが、雲南省を通るルートが代表的だ。特に、瑞麗からミャンマーを抜ける道である。それから、私たちが先月行った路も、ラオスの国境だったが、実は、高速道路で雲南省からタイのバンコクまでつなぐ計画が進行中である。これらは山岳ルートだが、海沿いだと、広西省からベトナムに抜ける道がある。この国境は中越戦争の戦場になったところである。

 とにかく、今雲南省は高速道路の整備がかなり進んでいる。理由は、東南アジアとの交易である。東南アジア、そしてインドやパキスタンの商店では中国の製品であふれかえっている。みな異口同音に言うのが、中国製品は安い、ということだ。人件費が中国より安い貧国の人からも安いといわれるのだから、その安さは相当なものだ。

 アジアの市場は、高級品は日本製、大衆品は中国製という棲み分けがほとんど出来上がってしまったと言っていいようだ。確かに、巨大な卸売りセンターがある上海近くの宜宇で、腕時計が5元(15円)で売られていて、作家のリポーターが絶句していた。

 安く商品を作れるのは、そこで働く人間の価値が安いからである。決していいことではない。それにしても、中国人の所得倍増は何時達成できるのか。達成したら世界経済は、いや地球環境そのものがどうなってしまうのか。

 今日の「その時歴史が動いた」は、日本の所得倍増政策を立案し進めていったエコノミスト下村治を取り上げていたが、その考え方は、国民の総生産量の拡大によって国民の所得格差を埋めていくというものだ。それは見事に成功し、GNPが倍になったとき、日本人は9割が自分は中流だと考えるようになった。今、中国はその政策をまねてまさに所得倍増政策をおしすすめているわけだ。

 それが成功するかどうかは分からないが、言えることはその政策は誰にも止められないということだ。おそらく中国は確実に豊になっていくだろう。何割が中流だと自覚するようになるかわからない。仮に、5割だとしたら、6億5千万である。それだけで驚く。

 スケールメリットという言い方があるが、かつてアメリカのスケールメリットが世界の経済を救ったが、そのうち中国のスケールメリットが世界の経済を救うだろう。実際すでに日本の経済は救われている。どんなに日本が頑張っても中国に適わないのは、スケールメリットが日本にはないからである。

 ところで、中国の人民が半分中流になったら、人件費があがり価格競争における中国の競争力は衰え、技術革新にシフトして行かざるを得ない。そこで教育が問題になるが、実は、今日のニュースで、子どもの科学オリンピックで中国は8年間優勝しているということだ。日本は最高7位だそうだ。今中国の同一年代の大学生の数は、日本の同一年代の全人口の数を越えている。つまり、今年新入生になった中国の大学生の数は、日本の同じ世代の若者の数より多いと言うことだ。それだけの数がいれば優秀な奴だって出てくるだろう。技術革新だって、そのうち日本を上回るだろう。

 時代が大きく動いているのを目の当たりにするのは楽しいことである。その意味では中国が今一番見ていて面白い。何たって先が読めないのだ。このまま、中華帝国がまた生まれるのか。それとも、バブルが弾けて混乱した社会になるだけなのか。仕事柄かかわってしまったということもあるが、これからも中国を気にしていきたいと思う。

      黄砂あげ13億が走りけり

コメント

_ 無荒 ― 2007/04/13 16:13

中国4000年の歴史をひもとくと隆盛期-これは王朝の初期に多い-と衰退期-これは王朝の末期に多い-が繰り返されている。衰退期は100-200年続き、再び隆盛期にはいるのが通常である。現在の中国は清朝末期の衰退期を脱して、人民中国時代の隆盛期に入ったと見るのがよい。元々世界の技術や文化の一方の旗頭であった國である。近いうちに世界のナンバーワンとなる可能性もある。そのつもりで日本人は中国とつきあうのがよい。

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