ハードな短大宣言!2007/01/23 00:04

 今日は雑務で出校。休みはない。授業が終わっても忙しい。年度予算の伝票締め切りがだいたい今月いっぱいだったり、あるいは、来年度の予算計画を立てたりする用事が多い。来年度の計画を具体化する作業に追われている。管理職兼事務職の辛いところだ。今年度後期の「千字エッセイコンテスト」の入賞者が決まり、表彰状を作るのも私がやる。千字エッセイの優秀作品集の小冊子を作っているが、その原稿を集め見積もりを取るのも私がやる。私が始めたことだから、そういうのは私がやる。

 今、一般入試の願書受付が始まっている。短大文科の日本語・日本文学コースにみなさん、是非応募してください。来年度から、「ハードな短大宣言!」というキャッチコピーを作って(私が作りました)、文科のイメージを難しくした。時代に逆行しているという批判もあったが、あえてそうした。

 例えば、英語・英米文学コースは、TOEIC500点を卒業までの目標にかかげ、日本語・日本文学は8000字レポートを卒業時に書くという目標に掲げた。いわゆるマニフェストである。少子化で、短大への受験者が減っているのに何故、こういう方針を出したかというと、多くの学生と接していて、さすがに社会に出ることが厳しくなってきているなあと感じるようになってきたからだ。

 今社会は余裕を無くしている。短大卒だけで通用するほど甘くはない。企業もそれなりに必死に人材を捜している。きちんとした文章が書けて、表現する力があるものを求めている。企業の人事担当者と会うとそこいら辺の雰囲気が良く読み取れる。

 今社会は格差社会になりつつあり、真面目で勉強が出来ても4年生大学に行くには学費の負担がちょっとという学生が確実に増えている。親に余裕があれば今は全入の時代だから子どもは4大に行くだろう。が余裕が無ければ短大に入って就職を考える。毎年面接をしてそういう受験生が増えているのを実感として掴んでいる。

 とすれば、われわれもいい加減な教育は出来ない。うちの短大はまだ競争力はあるから、そういう社会の厳しさに直面している真面目な学生に入ってもらいたいと思っている。そして、徹底して語学や表現力を身につける教育をして、社会に送り出したい。だから、遊ぶ学生には来て欲しくない。昔に比べるとさすがにそういう学生は減った。それはそれで寂しいが。

 むろん、人数をたくさん集めようと思えば、いろんなメニューを用意して、好きなものが学べますよ、入ってから自分の好きな道を選んだら、というやり方もないではない。だが、それは全入を前提にした入試になる。つまり、入ってほしい人に入ってもらうということが出来なくなる。結果的に、それは大学の個性を無くし、教育もいい加減になり、長続きはしない。

 難しいところだが、誰でもに入学を認めるという大学から潰れていっているのが現状なのである。こういう人に入ってほしいと毅然と宣言できる大学が生き残る。そのためにも入試のハードルは必要なのだ。

 とりあえず、文科は、真面目にハードな短大宣言をした。それが社会のニーズであると信じている。が、たぶんそんなに受験生は増えないだろう。いや現状維持がいいところかちょっと減るかも知れない。だが、それでも入ってくる学生は、こちらが欲しい学生であることは確かだ。今、日本でこちらが欲しい学生を選べる短大は、数えるほどしかない。われわれはまだ恵まれている。長い目で見れば結果は自ずとついてくるだろう。そう信じるしかない。

    
      鬼やらふ鬼のおもても悲しそう